私達が生活している中で似た言葉に出会うことがよくあります。
ただ各々の意味を間違って理解・使用すると人前で恥をかいてしまうこともあり、多くの言葉を知っておく方が何かといいです。
中でもここでは、意味が似ている言葉として「資格と免許の違いは?検定や試験や権利との違い・意味・使い分けは?」について解説していきますので、参考にしてみてください。
資格と免許の違い・意味・使い分けは?
それでは以下で資格と免許の違い・意味・使い分けについて解説していきます。
資格と免許は「特定の行為を行う際に必要なもの」として似ていますが、その扱い方に少々違いがあります。
一般的にはその行為を行った時に持っていないと法律上罰せられるのが「免許」、罰せられないのが「資格」という違いがあります。
例えば、医師‶免許〟を持っていないのに医療行為を行えば罰せられますが、漢検や英検などの‶資格〟をもっていないのに何かをしたからと言って(法に触れないこと)罰せられません。
掘り下げて考えていきましょう。
資格には2つの意味があり、1つ目は‶何かをするのに必要な又ふさわしい立場や地位〟とあります。例えば理事や知事などがそれにあたります。
例としては
「理事の資格でその会合に参加する」
のようにそれをするのにふさわしい権限をもっている、ということを指します。
またもう一つの意味としては‶その行為を行うために必要な条件・要件〟とあります。
例えば
「社会福祉士を取って、障害者を支援する」
のように、専門的な技術についての試験について合格した人だけに許される特定の行為や、名称のことを言います。
そして「資格」には、国家資格と民間資格との2種類があります。
国家資格とは国が公認している資格のことです。試験を民間団体が行っていても、国が認めていればこれは国家資格であると言えます。(医師、弁護士など)
一方、民間資格とは、その民間団体が主催する試験に合格すると取得できる資格です。(アロマテラピー試験、MOS試験など)
次に「免許」の意味です。免許にも意味が2種類あります。
1つ目は‶特定の行為を行うことを官公庁が許すこと・一般的には禁止されている行為を、特定の場合、特定の人だけに許すこと〟とされています。
例えば、医療行為は医師が行います。その為「医師‶免許〟」とされるのです。また、車を運転するのにも技術が必要なので車を運転するには「運転‶免許〟」が必要なのです。
もう1つの意味は‶師から弟子にその道の奥義を伝授すること、又その証書、ゆるし〟とされています。華道や茶道の師から弟子に‶師範の免許を与える〟といった具合に使います。
それでは、「資格」と「免許」の使い分けについてです。
「資格」と「免許」は対立するものではありません。
「免許」を持っている事でその「資格」があることが証明できる、ということです。
例えば保健所で取り扱う「資格」の中には‶医師〟も含まれています。しかし、上に挙げたように‶医師〟は「医師免許」でその資格が証明されますよね。このように、「医師免許」を持っている事で「医師」という「資格」が証明されるということなのです。
つまり、「資格」の中に「免許」が含まれていると考えていいでしょう。
資格と検定の違い・意味・使い分けは?免許とも
さらには、資格と検定の違い・意味・使い分けについても確認していきます。
結論から言いますと「資格とはそれを元に特定の行為を行うできるもの」であるのに対し、「検定とは対象の能力があるかどうかを定めること」という違いがあります。
難しい言葉でいうと、‶特定の行為を行うための権利が発生するかどうか〟に違いがあるともいえます。
「資格」の意味を辞書で調べると、上にも挙げたように
‶ある行為を行うために必要な地位や立場〟
とあります。
「○○士」、「○○師」(医師、弁護士etc)など「師」「士」が入る資格が多く、重要な立場である事を指しています。
一方、「検定」を辞書で調べると
‶ある一定の基準を設け、知識がどの程度なのか検査し合格・不合格・等級・価値などを定めること〟
とされています。要するに、その物事に対するその人の知識、能力がどの程度か調べるもの、ということです。
「資格」と違う所は「検定」は能力の程度を調べることが目的で、それを取ったことによって特別な行為が許されるわけではない、ということです。
「検定」の有名どころとしては、英検、漢検、TOEICなどがあります。
また検定には1級、2級などの級方式と、○○点などスコア式のものがあります。「その技術に対する能力」を証明するのが「検定」だといえます。
使い分けとしては、‶その権利を持っている者にしか行えない行為〟ができる人が持っている場合を「資格」といい、また「検定」とは‶行為を行う〟ことがOKであるかNGであるかとは関係なく‶どの程度の知識・能力を持っているか〟が測られるものです。
いわゆる「自身の能力証明書」ですね。
試験と検定の違い・意味・使い分けは?資格・免許とも
さらに「試験」と「検定」の違いについても考えてみましょう。
この2つは‶能力の程度を測る〟という似た意味を持っていますが、試験は点数として絶対的な評価ができるのに対して、検定ではある基準を満たしているかどうかのみの判断に限られるのが違いです。
また、試験の場合では合格した後に入学できるなどの付加価値もつく場合があるのに対し、検定ではそれがないことも相違点ですね。
具体的にみていきましょう。
まず「試験」の意味です。
試験とは
‶物の性質や力などをためすこと、または検査すること〟
‶入学・入社・登用などの採否をきめるため、問題を解かせたり実際にやらせてみたりして、学力・知識・能力などを判断、評価すること〟
とされています。
試験は順位をつけたり、その人の能力や技術の程度を測る為に行われることを言います。
それを受けることによってある程度の能力は証明できますが、なんらかの特定の行為を行えるようになるわけではありません。
‶入学・入社試験などの合否を決めるにあたってその人にどれくらいの能力があるのか、またその会社や学校に入る為に必要なレベルの能力を持っているのか〟
を調べるために行われると言えます。
一方で検定とは
‶ある一定の基準を設け、知識がどの程度なのか検査し合格・不合格・等級・価値などを定めること〟
とあります。
「試験」は合格したり基準点を上回ると何らかの団体(学校や会社など)に入る為の権利が得られます。
しかし「検定」では‶その程度の能力を持つ〟ということは証明できるものの‶あなたにはこの程度の能力がありますよ〟という証明だけで、何か特別なことができるようになるわけではありません。ここが試験と検定の大きな違いです。
そして漢字で表す際に「受験」と「受検」がありますね。運転免許など‶ある特定の行為ができるようになる〟為に受けるテストには、「受検」が使われます。これは「検定」のほうの漢字です。
なぜ「検定」のほうの漢字が使われるかというと、テストを受ける人のレベルがその資格を持つのにふさわしいかどうか‶ある一定の基準に基づいて〟合否を決定するからです。
こういったことから「検定」とは、‶結果を伴う(資格を得られる)検査〟と覚えておくといいでしょう。
つまり、「資格」と「検定」の違いは
「免許・許可状を得られるか得られないか」によるものだと言えます。
資格と権利の違い・意味・使い分けは?免許や試験とも
さらには「資格」と「権利」はどう違うのでしょうか?意味から見ていきましょう。
※
まず「資格」の意味としては
‶何かをするのに必要な、またふさわしい立場や地位〟
‶その行為を行うために必要な条件、要件〟
とあります。
使い方を挙げると
「私は英語の資格をとるために勉強する」
「私は社会福祉士の資格を持っている」
などがあります。
一方「権利」とは
‶ある物事を自分の意志によって自由に行ったり、他人に要求できる資格〟
‶一定の利益を自分のために主張し、またこれを享受できる法律上の能力〟
とされています。
使い方としては
「幸せになる権利がある」
「株主には○○の権利がある」
などです。
違いとしては「資格」とは一定の条件を満たすことによって付与されるものであり「権利」とは誰かから付与されるものではなく、生まれつき保障されているものだというところです。
例えば、「資格」は自分のスキルを磨いていく事によって一定の基準を満たし、試験などに合格することによってようやく手にすることができるものです。
しかし、「権利」は人間誰しも‶生まれつき平等に持っているもの〟です。
「生きる権利(生存権)」や「幸福になる権利(幸福権)」などがそれにあたります。これは法律で保障されているものであり、誰かが奪うことが出来るものではありません。
そして自分の利益について「権利」を要求し、それを享受することもできます。財産の相続権などがそれにあたります。
こういったことから2つの言葉の違いを比べると「資格」は自分で努力をして試験などに合格してしか手に入らない一方、「権利」とは生まれつき保障されている、というところが大きな違いだと言えます。
また「免許」と「権利」の違いとしては、免許は‶特定の行為を【特定の人】だけにできるようにすること〟であるのに対して、権利は上にも挙げましたように持って生まれたものなので「特定の人」だけでなく【すべての人に】平等に与えられるものだといえます。
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