ビジネスにおいて敬語の使い方は意外と難しいものです。
そして、敬語の使用方法がおかしいと相手に不快な思いをさせるケースもあるため適切な敬語の使い分けを身につけておくといいです。
中でもここでは「召し上がっていただく」「お召し上がりになる」「食していただく」「お食べください」などの表現は敬語として正しいかどうかの判断が困難であり、以下で詳細を確認していきます。
召し上がっていただくは正しい敬語?二重敬語ではない?
結論からいいますと、「召し上がっていただく」は正しい敬語です。
このような表現は「敬語連語」といい、「食べてもらう」の「食べる」を「召し上がる」に、「もらう」を「いただく」にと、それぞれを尊敬語に変換しつなげただけの言葉なので、二重敬語にはあたりません。
以下のように使うことができます。
「こちらは当店の自信作ですので、是非召し上がっていただきたく存じます。」
「(仕出し屋さんに)パーティーにお越しくださったお客様に召し上がっていただくオードブルを、〇日の△時にお願いできますか。」
お召し上がりになるは正しい敬語?おかしい?
「お召し上がりになる」は「召し上がる」という尊敬語に、「お~になる」という尊敬語の表現まで付けているので、二重敬語になります。
しかし、「どうぞ、お召し上がりになってください」「お召し上がりください」などと、普通に使われる表現ですので、日常的に使っても問題ありません。
「(レストランで)当店自慢の、〇〇(料理名)となります。どうぞお召し上がりになってください。」
特に、接客業の方などで、お客様に対して使う際に、「召し上がってください」だと少し敬意が足りないなと感じる方は、「お召し上がりになってください」のような表現を使うといいでしょう。
食していただくは正しい敬語?二重敬語ではない?
「食していただく」は、「食する」と尊敬語の「いただく」をつなげた言葉なので、二重敬語には当たりません。
しかし、このような表現を使うことは日常の生活シーンではありません。
専門書等で「うさぎは人参を食す」のように記載されることはあるかもしれませんが、「こちらのお弁当を食していただいて結構です。」のように使うことはありませんよね。
なので、敬語表現としては誤りではありませんが、一般的に使う言葉ではないといえます。
この場合は「食べていただく」という表現が一般的に使われますね。
しかし、「お召し上がりいただく」よりは、敬語の度合いとしては低くなります。
状況に応じて使い分けるようにしましょう。
なお「お召し上がりいただく」は、以下のように使用されます。
「こちらが、多くのお客様にお召し上がりいただける当店の人気メニューでございます。」
お食べくださいは正しい敬語?おかしい?
「お食べください」は文法的には間違っていませんが、やはり「お召し上がりください」という表現を使うのが普通です。
社会人の方が「お食べください」のような表現を使うと、少し稚拙な印象になります。
敬語は「召し上がる」のような決まった言い回しがある場合は、そちらを使います。
例えば、上司に席を勧める際は、「お座りください」ではなく「おかけください」をつかいますよね。
同じ理由で、「お召し上がりください」「召し上がってください」のような表現を使うのが一般的です。
まとめ 「食していただく」「お食べください」は正しい敬語?二重敬語?
ここでは、「召し上がっていただく」「お召し上がりになる」「食していただく」「お食べください」は正しい敬語?二重敬語?について解説しました。
敬語は使い方に慣れるのが大切なため、この機会に理解しておくといいです。
さまざまな敬語の扱いに慣れ、日々の生活に役立てていきましょう。
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