ビジネスにおいて敬語の使い方は意外と難しいものです。
そして、敬語の使用方法がおかしいと相手に不快な思いをさせるケースもあるため適切な敬語の使い分けを身につけておくといいです。
中でもここでは「拝受しました」「拝受いたしました」「受け取らせていただきます」「お受け取りさせていただきます」などの表現は敬語として正しいかどうかの判断が困難であり、以下で詳細を確認していきます。
拝受しましたは正しい敬語?二重敬語ではない?
結論からいいますと「拝受しました」は正しい敬語です。
ビジネスシーンでよく使われる謙譲語(身分が上の人にへりくだって使う言葉)です。
「拝受しました」は資料を受け取った際や、メールを受信した際に「受け取りました」という意味で使います。
同義の言葉に、「お受け取りしました」という表現もありますが、「拝受しました」はより硬い表現で、フォーマルな印象になります。
たとえば、以下のような使い方ができます。
「先程、いただいたメールを拝受しました。早速手配させていただきます。よろしくお願いいたします。」
「ご用意いただいた資料を、確かに拝受しました。社内で検討し、近日中にご返答させていただきます。」
拝受いたしましたは正しい敬語?おかしい?
「拝受いたしました」は二重敬語となり、文法的には誤りであるといえます。
「受け取る」の謙譲語である「拝受」に、「する」の謙譲語「いたす」が組み合わされているからです。
しかし、ビジネスシーンでは「拝受いたしました」は日常的に使われている表現です。
「拝受しました」よりもさらにへりくだった表現のため、より敬意を示したいときに用いられます。
以下のように使われます。
「先日ご送付いただいた新製品のカタログを拝受いたしました。弊社の既存の設備は老朽化が進んでいるため、近日中に新調する必要があり、貴社の製品を検討させていただきました。つきましては、〇〇(製品名)のお見積りをお願いしたく存じます。」
受け取らせていただきますは正しい敬語?二重敬語ではない?
「受け取らせていただきます」は、「受け取る」に「させていただく」という謙譲語を組み合わせた、文法的には正しい敬語です。
そのため、間違いとは言えませんが、少し冗長な表現になります。
ビジネスシーンでは、先に紹介した「お受け取りしました」「拝受いたしました」のような簡潔な表現を用いるとよいでしょう。
また、金銭や物品を受け取った場合は「受領いたしました」という表現を使うこともできます。
「受領いたしました」の使用例は以下のとおりです。
「先日、お振込みいただいた商品代金を確かに受領いたしましたので、受領書を発行いたします。」
お受け取りさせていただきますは正しい敬語?おかしい?
「お受け取りさせていただきます」は、「受け取る」に、「お~する」と「させていただく」の二つの謙譲語の表現が組み合わさった二重敬語となり、誤った表現です。
しかも上述の「受け取らせていただきます」よりも、さらにまわりくどい表現で、卑屈な印象さえ感じてしまいます。
やはり、「お受け取りしました」や「拝受いたしました」のような簡潔な表現を使うのが適切です。
丁寧な印象を与えるための敬語も、過剰に使いすぎると逆効果になるということを意識しましょう。
まとめ 「受け取らせていただきます」「お受け取りさせていただきます」は正しい敬語?二重敬語?
ここでは、「拝受しました」「拝受いたしました」「受け取らせていただきます」「お受け取りさせていただきます」は正しい敬語?二重敬語?について解説しました。
敬語はその表現に慣れていないとうまく使えないため、この機会に身に着けておくといいです。
さまざまな敬語表現を学び、日々の業務に役立てていきましょう。
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