科学的な解析(化学)を行う際には基本的に反応物質の分子量や酸化数や電離式などの理解が必要となることが多いです。
そのためさまざまな物質の分子量や酸化数や電離式を理解しておくといいわけですが、あなた覚えられていますか。
ここでは代表的な化学物質のNaCl(塩化ナトリウム)に着目して、その分子式、構造式、電子式、分子構造、極性などをまとめていきますので、参考にしてみてください。
塩化ナトリウムの分子式は?【NaClの分子式】
それでは以下で塩化ナトリウムの分子式について見ていきます。
塩化ナトリウムはナトリウムイオンと塩化物イオンが無数に規則正しく並んで結晶化した無機化合物です。よって分子を構成しないため、分子式はありません。
通常表現されるNaClは分子式ではなく組成式です。
塩化ナトリウムの構造式は?【NaClの構造式】
塩化ナトリウムは先述の通り、ナトリウムイオンと塩化物イオンが無数に規則正しく並んで結晶化したイオン結晶ですので構造式では表しません。
下記に出てくる立体構造(分子の形)のイメージを参照下さい。
塩化ナトリウムの電子式は?【NaClの電子式】
構造式と同様に塩化ナトリウムでは電子式では通常表しません。
塩化ナトリウムの分子の形は?【NaClの分子構造:立体構造】
繰り返しになりますが、塩化ナトリウムはナトリウムイオンと塩化物イオンが無数に規則正しく並んで結晶化したイオン結晶です。 よって、分子という考え方はしません。
塩化ナトリウムの固体中では下記の図のように均一に並んでいます。
塩化ナトリウムの極性は?【NaClの極性】
塩化ナトリウムは分子を形成せず、また、固体では電気的にも安定しているため極性ありません。
しかし、水に溶けると電離し、ナトリウムは電子を失い陽イオンのナトリウムイオン(Na+)、塩素は電子を受け取り陰イオンの塩化物イオン(Cl―)に分かれます。
塩化ナトリウムの電離式はこちらで解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まとめ 塩化ナトリウムの構造式・電子式・分子の形や極性は?
ここまで塩化ナトリウムの分子式、構造式、電子式、分子構造、極性について考えてきました。
内容をまとめると、
- 塩化ナトリウムはナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl―)がイオン結合した無機化合物である。
- イオン結晶であるため分子式、構造式、電子式ではなく組成式でNaClと表記する。
- 極性はないが、水に溶けると電離しナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl―)になる。
塩化ナトリウムはいわゆる「塩」で私達が毎日摂取している物質です。
この機会に理解を深め、「塩」にふれるたびに思い出してはいかがですか?
コメント