私達が生活している中で似たものに出会うことがよくあります。
ただ各々の認識や違いを誤って理解・使用すると人前で恥をかいてしまうこともあり、多くの言葉を知っておく方が何かといいです。
中でもここではよく似ている言葉である「言うと云うと謂うの違いや意味は?」について解説していきます。
言うと云うの違いや意味は?
それぞれの違いについて見ていく前に、まず根本の「いう」について調べてみましょう。
「いう」には「言葉を口に出す。心に思っていること、考え・判断などを相手に伝達するために、言葉に出したり、文章に表したりする」、「物が音を立てる」という定義(意味)があります。他にも現代では、先ほどの「~という」のように、慣用表現として用いられたり形式的に使われたりしている場合が多いです。
この「いう」は辞書を見ると「言う/×云う/×謂う」となっています(×は常用漢字表外という意味)。つまり、辞書では言うも云う、謂うも同じ言葉として扱われていることがわかります。
さて上記のように同じ言葉として扱われている、言う/云う/謂うですが、それはあくまでも日常生活レベルでの話。厳密には場面に応じた使い分けがあります。その使い分けについて、それぞれ見ていきましょう。
言うは「言葉を口に出す」の意で使います。それは「言」という漢字の成り立ちから見ることができます。「言」は、「辛」と「口」とで構成されています。「辛」は刃物や針を表す漢字です。そこから「刃物で切り開いてはっきりと口にすること」を表しています。
また別の説明では「口」は神器を表しており、「誓いを破れば針で罰を受けると神に誓うこと」とされます。これらに共通しているのは「口に出すこと」で、言うは「言葉を口に出す」の意で使われると考えられます。
次に云うですが、これは「他人から伝えられたことを述べる」ときに用います。「云」は「雲」の原字(「云」が「いう」の意味を持ったため、区別のために作られたのが「雲」)です。
雲(気体のようなもの)が渦を巻いて立ち昇る様子を表しており、転じて口から発された言葉が立ち昇っていく=「いう」「いわく」の意で使われるようになりました。
また、「云」を使った熟語に「云々」があり、これは引用した文や語の後に続く文を省略する時に「以下略」と同じ意で使います。ここからも「云」が引用、つまり他人から聞いて得た言葉を伝える意だと見ることができます。
ここまで、言うと云うとの違いについて、それぞれの漢字の成り立ちも踏まえて見てきました。二つの違いとして、言うは「言葉を口に出す」とき、云うは「他人から伝えられたことを述べる」ときに用いる点が挙げられます。
言うと謂うの違いや意味は?
最後に言うと謂うとの違いについて見ていきましょう。
言うは先に述べた通り「言葉を口に出す」の意で使います。対して、謂うは「何かを称する」ときの表現です。称するは「名づけていうこと」の意で、ある語を別の語で言い換えるときに使います。
「謂」は「言(刃物+口)」と「胃(まるい胃袋)」とで構成され、「胃袋のようなもので包んで、口に出す」=「考えて言う」「何かをめぐって、ものを言う」ことを表します。
これを使った熟語が「所謂(いわゆる)」です。「世間でいうころの」という意で用い、例としては「あの人はその気になれば何でもできる、いわゆる天才というやつだ」「彼の技術は誰もが認める、いわゆる達人だ」となります。画像の“チャンス”と“チェンジ”を例にすれば「チェンジ(変更すること)は、いわゆるチャンス(好機)だ」となります。
言うと云うと謂うの違いや意味について見てきました。辞書には「いう【言う/×云う/×謂う】」と表記されており、同じ意味です。
云うと謂うは常用漢字表外なので、公文書やビジネス文書では「言う」を使います。上記のように日常生活レベルでは同じ意味ですが、厳密に使い分ける場合は以下の通りです
言う=「言葉を口に出す」(例:独り言を言う)。
云う=「他人から伝えられたことを述べる」(例:彼が云うには)。
謂う=「何かを称する」(例:人々は彼女を先生と謂う)。それぞれ、このような違いがあります。
まとめ 言うと謂うの違いや意味は?
ここでは、言うと云うと謂うの違いや意味は?について解説しました。
どれもよく似た言葉なので混同しないように注意するといいです。
さまざまな言葉の違いを理解し、毎日の生活に役立てていきましょう。
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