私達が生活している中で似たものに出会うことがよくあります。
ただ各々の認識や違いを誤って理解・使用すると人前で恥をかいてしまうこともあり、多くの言葉を知っておく方が何かといいです。
中でもここではよく似ている言葉である「神秘的と幻想的の違いや意味や使い方は?」について例文を交えて解説していきます。
神秘的と幻想的の違いや意味は?
似たような場面で用いる神秘的と幻想的ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
どちらとも美しさやすばらしさを感じたときの表現ですが、神秘的は「言葉では説明できない不思議さ」を感じたとき、幻想的は「夢の中をぼんやりとさまよっているような美しさ」を感じたときに使います。
神秘的の意味は「普通の認識や理論を超えて、不思議な感じのするさま」です。
それぞれの漢字に分けてみると、神とは「人知を超越した絶対的能力をもった存在」ですし、秘もそれ自体に「奥深くて人知でははかり知れない」という意味があります。
主な英訳としては「mystic」「mysterious」「occult」「orphic」があります。
occultは「超自然的な力の」と訳され、超自然とは「自然界の法則を超えた、理論的に説明のつかない神秘的なものごと」です。
orphicはギリシア神話に登場する吟遊詩人オルフェウス(Orpheus)をもとにした単語で、「(オルフェウスの音楽のように)魅了する」「神秘的な」という意味があります。
これらからわかるのは、「言葉では説明できない不思議さ」を感じたときに「神秘的」を用いるということです。
幻想的は「現実から離れて、まぼろしの世界を夢見ているようなさま」という意味です。
幻は「実際にはないのにあるように見えるもの」をいい、想は「考え、思い。また、芸術作品などの構想」を意味します。
主な英訳は「fantastic」「dreamy」「woolgathering」です。
fantasticは「空想的な。すばらしい」という意味で、dreamyには「夢のような。美しい。おぼろげな」という意味があります。
特筆すべきはwoolgatheringでしょう。
これは「放心、とりとめのない空想」を意味する単語です。羊がフェンスや茂みを通りがかると、羊毛のゆるい房が引っかかって抜けます。
これを集める行為を、かつては「羊毛集め」と言いました。羊毛集めを知らない人が見れば、目的もなく、ぶらぶら歩きまわっているように見えたことでしょう。そこから転じて、woolgatheringは「目的もなくさまようことにふける」=「心をさまよう(とりとめのない空想)」を指すようになったと言われています。
以上のことから幻想的は、「夢の中をぼんやりとさまよっているような美しさ」を表す言葉だといえます。
神秘的と幻想的の意味について例文を交えて解説!
神秘的について、例文をいくつか挙げていきます。
「深い森の奥には泉があり、神秘的な光が降り注いでいる。」
「ただ一点を見つめる彼女の眼差しに、神秘的な魅力を感じた。」
「古びた彫像が、神秘的な空気を漂わせている。」
いずれも言葉で説明できない不思議さを表現しています。
「言葉で説明できない」とは逆に言えば、それを見聞きした瞬間に思わず「何故ここにあるのか」「何かを伝えようとしているのではないか」という意図や奥深さを感じるとも言い換えられるでしょう。
何らかの意図、奥深さを感じる、しかしうまく説明できない。そのような感覚を表現するときに「神秘的」を用います。
次に幻想的を使った例文を挙げていきましょう。
「クリスマスが近付くとイルミネーションが飾られ、街は幻想的な光で彩られる。」
「暗闇の中、無数に揺らめくロウソクの炎が、幻想的な空間を生み出す。」
「山の頂上から雲海を見下ろすことができる。そこには幻想的な世界が広がっていた」
いずれも現実離れした美しさを表現しています。
ただ単に美しいだけではなく、儚げだったりおぼろげだったり、夢の中にいるような感覚を表現する言葉が「幻想的」です。
まとめ 神秘的と幻想的の違いを例文を用いて解説!
ここでは、神秘的と幻想的の違いや意味や使い方について例文を交えて解説しました。
どちらもよく似た表現なので混同しないように気を付けるといいです。
さまざまな言葉の違いを理解し、日々の生活に役立てていきましょう。
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