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「お覚えですか」「記憶にございますでしょうか」「覚えていらっしゃいますか」「覚えていらっしゃいますでしょうか」は正しい敬語?二重敬語?

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ビジネスにおいて敬語の使い方は意外と難しいものです。

そして、敬語の使用方法がおかしいと相手に不快な思いをさせるケースもあるため適切な敬語の使い分けを身につけておくといいです。

中でも「「お覚えですか」「記憶にございますでしょうか」「覚えていらっしゃいますか」「覚えていらっしゃいますでしょうか」などの表現は敬語として正しいかどうかの判断が困難であり、以下で詳細を確認していきます。

 

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お覚えですかは正しい敬語?二重敬語ではない?

結論から言いますと「お覚えですか」は間違った敬語です。「ある出来事を覚えているかどうかを聞く台詞」としては間違えています。

この場合の「お覚え」をどう捉えるかでどのように敬語として間違っているのか説明が分かれますが、いずれにせよ敬語としては間違っています。

 

 

①  「お覚え」を動詞として捉えた場合

「覚える」には尊敬語や謙譲語が無いため、動詞のまま「お覚え」と尊敬語のような言葉に変えるのは不可能です。

 

② 「お覚え」を名詞として捉えた場合

「覚える」にその動作をしている人を高める効果を持つ接頭語の「お」がついたものと考える場合です。接頭語の「お」が付いた動詞はその後に「~なる」「~頂く」などが別の動詞が無ければ、その行為をしている人を高める名詞となります。

この場合は「お覚え」はあくまで名詞なのでとなるため「お覚えですか」という文章は構造的には「りんごですか」や「みかんですか」と同じ「名詞+助動詞」となります。

「覚え」という名詞の意味は「覚えること。習得。理解。」「思い当たること」「感じること」です。これらの名詞と「ですか」を組み合わせて「ある出来事を覚えているかどうかを聞く」のは無理があります。

 

このような場合は「覚えていますか」を使用するのが正しいです。

しかし、この「覚えていますか」という言葉も注意が必要で、

・出張先に到着されたら会社に連絡をお願いしますとお伝えしたのを覚えていますか

・明日18時から私とお食事のお約束があるのを覚えていますか

のようにおそらく相手が忘れているだろうと思われる場面で使用すると、相手によっては責められていると感じてしまう可能性があるため、注意するといいです。

 

して欲しい事を相手がしてくれないまたはしてくれなさそうという場面では

・お手数ですが到着されましたら会社に連絡をお願いします

・明日18時からのお食事のお約束を楽しみにしております

などもう一度お願いしたり伝えたりするような形にすると良いでしょう。

 

 

記憶にございますでしょうかは正しい敬語?おかしい?

結論からいいますと、「記憶にございますでしょうか」は正しい敬語ではありません。

 

 

敬語の文法的な観点から説明していきます。

まず「記憶にございます」は「記憶にある」の丁寧語にあたります。そして後に続く「でしょうか」は「~だろうか」の丁寧語にあたります。一つの応答の中に2つの丁寧語があるため「記憶にございますでしょうか」は二重敬語になってしまいます。

従って文法的に誤った敬語となります。

 

ただ、敬語の使い方に慣れていない方ですと、この言い回しがふと出てくることもあるので、注意が必要ですね。

敬語であっても、あまりにも丁寧にしすぎたものは逆にNGとなることと理解しておくといいでしょう。

 

覚えていらっしゃいますかは正しい敬語?二重敬語ではない?

「覚えていらっしゃいますか」は正しい敬語です。

一つの応答の中に「いらっしゃる」と「ます」の2つの敬語が入っているので、二重敬語となってしまうのではないかと心配された方もいらっしゃるかと思います。

しかし、二重敬語は「1つの応答の中に同じ種類の敬語が2つ以上にある敬語」の事です。「覚えていらっしゃいますか」を細かく分けると、「覚えている」の尊敬語である「覚えていらっしゃる」、丁寧語の「ます」、疑問助詞の「か」に分かれます。

今回は一つの応答の中に敬語が2種類ありますが「尊敬語と丁寧語」で違う種類の敬語なので二重敬語とはみなされず、正しい敬語となります。

 

ただし、先に述べた通り「覚えていらっしゃいますか」も相手によっては責められていると感じてしまう可能性があります。その場合は伝え方を工夫しましょう。

 

例文としては、

・この間のパーティの内容を覚えていらっしゃいますか
・先日の雨で転んでしまったことを覚えていらっしゃいますか

などが挙げられます。

 

 

覚えていらっしゃいますでしょうかは正しい敬語?おかしい?

「覚えていらっしゃいますでしょうか」は正しい敬語ではありません。

先ほども述べましたが「覚えていらっしゃいますか」は細かく分けると動詞の「覚える」、「いる」の尊敬語の「いらっしゃる」、丁寧語の「ます」、疑問助詞の「か」となります。これに更に丁寧語の「でしょうか」を足してしまうと、「ます」と「でしょうか」の2つの丁寧語が一つの応答の中に含まれることになり二重敬語となってしまいます。

従って文法的に誤った敬語となります。

 

こちらも丁寧に言いすぎておかしな表現になっているパターンといえますね。

ただ口語として、このような敬語をサラッといった場合には、それほど不自然ではないと感じる人も増えているため、今後はそこまで厳密な敬語表現が求められなくなる世の中となる可能性はあるでしょう。

 

まとめ 「覚えていらっしゃいますか」「覚えていらっしゃいますでしょうか」は正しい敬語?二重敬語?

ここでは「お覚えですか」「記憶にございますでしょうか」「覚えていらっしゃいますか」「覚えていらっしゃいますでしょうか」は正しい敬語?二重敬語?について解説しました。

敬語はその扱いに慣れていないとどうしても誤って使ってしまうため、この機会に覚えておくといいです。

さまざまな敬語の扱いになれ、日々の業務に活かしていきましょう。

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