ビジネスにおいて敬語の使い方は意外と難しいものです。
そして、敬語の使用方法がおかしいと相手に不快な思いをさせるケースもあるため適切な敬語の使い分けを身につけておくといいです。
中でも「風邪などひかぬようご自愛ください」「お体に気をつけて頑張ってください」「お体を大切にお過ごしください」などの表現は敬語として正しいかどうかの判断が困難であり、以下で詳細を確認していきます。
「風邪などひかぬようご自愛ください」は正しい敬語?
結論からいいますと「風邪などひかぬようご自愛ください」という言い方は、少し丁寧さが欠けた印象です。
目上の人に対して使う場合は、もっと丁寧な言い方にするのが好ましいです。より正しい敬語になるよう、一つ一つ意味を見ていきましょう。
まず、「ご自愛ください」は「お体を大切にしてください。」という意味で、「自分の体を大事にしてください。体調を崩さぬよう気をつけてください。」というような相手を気遣う言葉です。「ご自愛ください」は正しい敬語なので、目上の人に使っても失礼にはなりません。
しかし「お体をご自愛ください」と言ってしまうと、意味が重複するので間違った使い方です。また、すでに病気や体調不良の人に対して使うのも間違いとなります。その場合は、「お大事になさってください。」などを使うようにしましょう。
さらに「自愛」と間違えやすい「慈愛」という言葉は、「あなたの深い愛情を私にください。」という意味になってしまいます。変換ミスにありがちなので気をつけましょう。
次に「ひかぬよう~」というのは、相手に贈る言葉としては少しそっけない印象です。「ひかれませんよう~」「召されませぬよう~」などと、より丁寧な言い方に変えてみましょう。
「風邪など召されませぬよう~」が一番丁寧な言い方となるので、目上の人に対してや、手紙の結びのあいさつではこちらを使うのが好ましいです。
以下のような言葉を組み合わせて使うことができます。
「最近は冷え込みますが~」
「風邪が流行っているようです。」
「今月は特に寒さが厳しいですね。」
そのあとに
「風邪など召されませぬよう~(ひかれませんよう~) ご自愛ください」
などと続けると良いでしょう。
「お体に気をつけて頑張ってください」は正しい敬語?
同僚などの親しい間柄の人物に対して「お体に気をつけて頑張ってください」は、フランクな言い方であり間違った使い方ではありません。
しかし、目上の人に対して「頑張ってください」を使うのは失礼にあたります。そもそも「頑張る」という言葉は「耐える・努力する」という意味、「~してください」は命令文です。
よって「頑張ってください」とは、「努力してください・耐え抜いてください・忍耐しなさい」と相手に命令している意味合いになります。
目上の人に対しては「頑張る」という言葉ではなく、「健闘を祈る」「応援する」などを使用しましょう。
また、「~気をつけてください」は「~ご留意ください。」にすると、より丁寧な言葉になります。「ご留意」は「気に留める・気にする」という意味なので、「ご自身の体調の事も気にかけてください」という意味合いになります。
「くれぐれも・どうか」などを付けると、相手への気遣いがより強い印象になります。
まとめると、目上の人に「体に気をつけて仕事などに励んでほしいこと」を伝えるときは、以下のような言い換えや組み合わせで対応出来ます。
「ご健闘をお祈りしております。」
「陰ながら応援させていただきます。」
「ご多忙とは存じますが~」
これらの後に以下を続けましょう。
「くれぐれもお体にご留意ください。」
「お体に気をつけて~」
「お体を大切にお過ごしください」は正しい敬語?
こちらは、正しい敬語です。「お体を大切に~」は、「ご自愛ください」の類義語ですので同じ意味合いになります。メールや年賀状などで、相手の体調を気遣う言葉として使うことが出来ます。
また、「ご自愛ください」は主に文面で使用しますが、「お体を大切にお過ごしください」口頭で伝える際にも使いやすいのではないでしょうか。
以下のような言葉を組み合わせて使うことができます。
「肌寒くなってきましたね。」
「冷え込む日が続きますが、」
そのあとに
などと続けると良いでしょう。
まとめ 「お体に気をつけて頑張ってください」「お体を大切にお過ごしください」は正しい敬語か?
ここでは、「風邪などひかぬようご自愛ください」「お体に気をつけて頑張ってください」「お体を大切にお過ごしください」は正しい敬語?について確認しました。
敬語は使うのに慣れが必要なのでこの機会に覚えておくといいです。
さまざまな敬語表現に慣れ、日々の業務に活かしていきましょう。
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