ビジネスにおいて敬語の使い方は意外と難しいものです。
そして、敬語の使用方法がおかしいと相手に不快な思いをさせるケースもあるため適切な敬語の使い分けを身につけておくといいです。
中でも「拝読させていただきます」「ご拝読ください」「ご拝読いただければ幸いです」などの表現は敬語として正しいかどうかの判断が困難であり、以下で詳細を確認していきます。
「拝読させていただきます」は正しい敬語なのか?【意味から解説】
結論からいいますと「拝読させていただきます」は従来からの敬語表現としては正しいとはいえません。しかしながら、現在の時代の流れ的には「拝読させて頂きます」と使用してもそれほどおかしくない(この表現が一般的になりつつある)といえます。
まずは、従来の敬語の文法的な観点から確認していきます。
「拝読」という言葉は「読む」の謙譲語にあたります。そして「拝読」の後に続く「させていただきます」も謙譲語です。一つの応答の中に二つの謙譲語が入っているため「拝読させていただきます」は二重敬語になり、これは文法的に間違った表現です。
この場合、厳密な敬語の視点からは正しくは「拝読しました」と答えるのが良いでしょう。
ただ、先にも述べましたが拝読だけでなく、~させて頂くという表現方法は徐々にビジネスの現場でもよく使われているため、今後はこちらが主流となる可能性も十分にあることを理解しておくといいです。
ちなみによく使われる応答で「拝読いたしました」がありますが「いたします」も謙譲語のため、これも二重敬語で間違いとなります。注意しましょう。
「ご拝読ください」は正しい敬語なのか?【意味から解説】
「ご拝読ください」という表現も正しい敬語表現ではありません。
先に上げたように「拝読」は謙譲語です。謙譲語はへりくだった表現で、相手に対して敬意を表すものなので「(私が)拝読します」「(私が)拝読いたします」と使うのが正しいです。
「ご拝読ください」と相手の動作に対して使うのは誤りです。
目上の人に対して、読んでほしいことを伝えたい場合は「ご一読ください」「ご参照ください」などを使うのが良いでしょう。
「拝読いただければ幸いです」は正しい敬語なのか?【意味から解説】
こちらの「拝読いただければ幸いです」という表現も正しい敬語ではありません。
ここまでに述べたように「拝読」は謙譲語で、自分が目上の人に対して応答するため使うのが正しい表現です。
相手に読んでいただく場合、丁寧に言表現するのなら「お読みいただければ幸いです」や「ご一読下されば幸いです」などと表現するといいでしょう。
まとめ 「ご拝読いただければ幸いです」「拝読させていただきます」「ご拝読ください」は二重敬語?正しい敬語?【意味から解説】
ここでは、「拝読させていただきます」「ご拝読ください」「ご拝読いただければ幸いです」は二重敬語?正しい敬語?について解説しました。
・拝読させていただきます:従来の敬語的には正しいとはいえないが、現在の言葉の使用方法として使用されるケースも多く、今後はこちらが一般的な言葉として使われるケースも考えられる
・ご拝読ください、ご拝読いただければ幸いです、は正しい敬語表現ではない
といえます。
正しい敬語の使い方を理解し、日々の生活に役立てていきましょう。
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