この記事ではエクセルで緯度と経度から距離を計算する方法、座標への変換方法ついて解説していきます。
ポイントは、以下の通りです。
・経度、緯度から距離を計算するには球面における最短距離の公式を使う。
その際に度数をラジアン変換することに注意する。
・経度、緯度を座標変換するにはエクセルのフリーソフトを利用する。
エクセルにて経度と緯度から距離を計算する方法【2点間距離:度分秒】
サンプルとして東京と名古屋間の距離を経度、緯度より計算してみましょう。
東京、名古屋の代表地点の経度、緯度を表に示します。
2点間の距離をE2セルに表示します。E2セルに以下の計算式を入力してください。
=6371*ACOS(COS(B2*PI()/180) * COS(B3*PI()/180) * COS(C3*PI()/180-C2*PI()/180) + SIN(B2*PI()/180) * SIN(B3*PI()/180) )]
Enterを押すと東京から名古屋の2点間の距離が計算されます。
東京-名古屋間は緯度、経度で計算するとおよそ263kmであることが求められました。
計算式の説明をします。
A地点(緯度A,経度A)とB地点(緯度B,経度B)の球面の最短距離は以下の公式で求められます。
地球の半径を6371kmとしています。
D=6371×arccos(cos(緯度A)∗cos(緯度B)∗cos(経度B−経度A)+sin(緯度A)∗sin(緯度B))
緯度、経度の度数をラジアンに変換する為にπ/180を乗じます。
セルに入力した計算式の“*PI()/180”がラジアン変換している部分となります。
少し複雑な式ですが公式に当てはめて式を入力してみてください。
エクセルにて経度と緯度を座標(平面直角座標)に変換する方法
フリーソフトを使用します。
以下のサイトよりソフト「エクセルでBL-XY相互変換(API)」をダウンロードしてください。
エクセルでBL-XY相互変換(API)の詳細情報 : Vector ソフトを探す!
ファイルを解凍させて、エクセルファイル「エクセルでBL-XY相互変換(API) Ver.20210519.xlsx」を開きます。
「コンテンツの有効化」をクリックしてください。
測地系とは地球における任意の地点を緯度、経度、高さで表すときの座標の基準です。
世界測地系は国際的に決められている測地系で、日本測地系は日本の基準点で決められている測地系をいいます。状況に応じて選択してください。
系番号は日本を19ゾーンに分けたときに任意の地点が属するゾーンを選択してください。
ゾーンは以下の国土地理院のHPにて定義されています。
次に緯度をC17、経度をC18のセルに入力していきます。
例として日本緯度経度原点を平面直角座標に変換してみましょう。
日本経度緯度原点は緯度:35°39’29.1572、経度:139°44’28.8869とされています。
測地系は、今回は日本測地系を選択してみましょう。
日本緯度経度原点の位置はゾーン8に属しているので軽番号は8を選択してください。
緯度:35°39’29.1572なのでセルには353929.00000と入力してください。
同様に、経度:139°44’28.8869なのでセルには1394428.00000と入力してください。
値が入力されると自動的にC19,C20セルに平面直角座標が計算され、表示されます。
フリーソフトを利用することによって簡単に座標へ変換することができます。
エクセルにて経度と緯度から距離を計算する方法や座標への変換方法
この記事では、エクセルで経度、緯度から距離を計算する方法、座標へ変換する方法を紹介しました。
公式を用いた計算方法、フリーソフトを上手く利用してより応用的にエクセルを使用できるようになりましょう。
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