Wordで長文の文書を作成しているときに、目的の箇所へすぐ移動できるよう「ブックマーク」を追加しようとしたら、なぜか登録ボタンが反応しない、あるいはエラーメッセージが出てしまい困った経験はありませんか。
ブックマークは目次やクロスリファレンス、ハイパーリンクの参照先としても使われる重要な機能ですが、名前のルールや表示設定、リンクの状態次第でうまく追加できなくなることがあります。
この記事ではワードブックマーク追加ができない(設定・リンク・削除・表示)対処法について、原因ごとに詳しく解説していきます。
・ブックマーク名の入力ルールと設定の見直し
・ハイパーリンクや相互参照とのリンク不具合への対処
・不要なブックマークの削除方法
・ブックマークが表示されないときの表示設定
それでは詳しく見ていきましょう。
ワードでブックマークが追加できない主な原因とは
ブックマークの追加に失敗する場合、原因は大きく分けて名前の付け方、カーソル位置や選択範囲、そして文書自体の状態の三つに分類できます。
特に多いのが、ブックマーク名に使用できない文字を入力してしまっているケースです。
また、表やヘッダー・フッターなど、ブックマークの設定範囲として不適切な場所にカーソルがある場合にも、ダイアログのOKボタンがグレーアウトしたままになることがあります。

上の画面のように、ブックマーク名の欄に不適切な文字が入力されていると、追加ボタンが押せない、あるいはグレーアウトしたままになってしまいます。
まずは自分が入力したブックマーク名にスペースや記号が含まれていないか、確認してみましょう。
ブックマーク名に使えない文字を使用している
Wordのブックマーク名には、実は細かい入力ルールが存在します。
スペース(空白)は使用できませんし、ハイフンやスラッシュ、句読点などの記号も基本的に使えません。
さらに、名前の先頭文字は必ず英字またはアンダースコアである必要があり、数字から始めることはできないのです。
日本語自体は使用可能ですが、全角スペースを含めてしまうケースが意外と多いため注意が必要かもしれません。
また、ブックマーク名の長さにも上限があり、あまりに長い名前を付けようとするとエラーになります。
カーソル位置や選択範囲が不適切
ブックマークは基本的に文書内のテキストや特定の位置に対して設定するものですが、設定できない場所も存在します。
例えば、表のセルをまたいで選択している場合や、脚注・文末脚注の一部だけを選択している場合には、正常に追加できないことがあります。
複数の異なる要素(本文と図など)にまたがる選択範囲も、ブックマークの設定対象として認識されないケースがあるでしょう。
カーソルだけを置いて選択範囲がない状態でも追加自体は可能ですが、意図した位置にブックマークが作成されているか、あとで必ず確認してください。
【ブックマークが追加できないときは、まず名前にスペースや記号、数字始まりがないかを確認し、次に選択範囲が表や脚注をまたいでいないかをチェックすること】
対処法1【ブックマークの設定を見直して追加エラーを解消する】
名前のルールを守っているつもりでも、見た目にはわかりにくい全角スペースや機種依存文字が紛れ込んでいることがあります。
ここでは正しいブックマーク名の付け方と、Word全体の設定面から確認できるポイントを見ていきます。
ブックマーク名のルールを守る
正しいブックマーク名を付けるコツは、英数字とアンダースコアのみを使い、先頭は必ずアルファベットにすることです。
日本語名を使いたい場合は、単語と単語の間にスペースを入れず、代わりにアンダースコアでつなぐようにしましょう。
例えば「第1章_概要」ではなく「第一章概要」あるいは「Chapter1_Overview」のように表記すると、エラーになりにくくなります。
コピーしてきた文字列をそのまま名前欄に貼り付けると、目に見えない制御文字が混入している場合もあるため、手入力で付け直すのも有効な対処法です。
Wordのオプションでブックマーク機能を確認する
まれに、Word自体のオプション設定が原因で機能がうまく働いていないように見えることがあります。
「ファイル」タブから「オプション」を選び、左側のメニューから「詳細設定」をクリックしてください。
その中の「文書の内容を表示する」セクションに、ブックマークに関する設定項目が用意されています。

この画面で「ブックマークを表示する」にチェックが入っているかどうかを確認しておくと、後の作業がスムーズになります。
もしチェックが外れていた場合は、ブックマーク自体は正常に追加されていても、画面上では確認できない状態になっているだけかもしれません。
【ブックマーク名は英数字とアンダースコアを基本にし、Wordのオプション画面で表示設定がオンになっているかも合わせて確認すること】
対処法2【ブックマークが表示されないときの表示設定】
ブックマークを追加したはずなのに画面上に何も表示されず、本当に登録できているのか不安になることがあります。
実はWordの初期設定では、ブックマークは画面上に表示されないようになっているのです。
そのため、追加できていないと勘違いしてしまい、何度も同じ操作を繰り返してしまう人も少なくありません。
構造化タグ(ブックマーク)を表示するオプションを有効にする
先ほど紹介した「ファイル」タブ「オプション」「詳細設定」の画面を再度開いてください。
「文書の内容を表示する」の項目にある「ブックマークを表示する」のチェックボックスをオンにし、「OK」をクリックします。
これだけで、ブックマークが設定されている箇所に灰色の角かっこが表示されるようになり、視覚的に確認できるようになります。
選択範囲に対してブックマークを設定した場合は文字列全体を角かっこで囲む形になり、カーソル位置のみに設定した場合は縦棒のような記号が一本表示されます。

このように角かっこで囲まれた部分がブックマークの範囲であり、縦棒のみの箇所はカーソル位置に設定されたブックマークです。
なお、この角かっこ自体は印刷やPDF変換の際には表示されないため、安心して常時オンにしておいて問題ありません。
角かっこの表示について
角かっこが表示されていても、実際の文書には印字されないという点は誤解されやすいポイントです。
画面上でだけ確認できる補助表示だと理解しておくと、削除する際にも迷わずに済むでしょう。
もし角かっこの位置がずれている、あるいは想定と違う範囲を囲んでいる場合は、ブックマークの範囲設定自体をやり直す必要があります。
【ブックマークが見えないときはオプションの表示設定を確認し、角かっこは印刷されない画面上だけの目印であると理解しておくこと】
対処法3【ブックマークへのリンク(ハイパーリンク・相互参照)が機能しない場合】
ブックマーク自体は追加できていても、そこへのハイパーリンクや相互参照がうまく機能しないという相談も多く寄せられます。
目次や注釈からブックマークへ飛ぼうとしてもエラーになったり、リンク切れが起きたりするケースを見ていきましょう。
ハイパーリンクの挿入でブックマークを指定する方法
ブックマークへのリンクを作成するには、リンク元にしたい文字列を選択した状態で「挿入」タブの「リンク」から「リンク」を選択します。
表示されたダイアログの左側で「このドキュメント内」を選ぶと、文書内に存在するブックマークの一覧が表示される仕組みです。
この一覧に目的のブックマークが表示されない場合、そもそもブックマーク自体が作成されていないか、名前が重複して上書きされてしまった可能性があります。

一覧の中から目的のブックマーク名をクリックし「OK」を押すことで、リンクが正しく設定されます。
この段階で目的のブックマークが表示されていれば、リンクの不具合ではなく別の要因を疑う必要があるでしょう。
相互参照でのリンク切れを防ぐ
目次や図表番号などで使う「相互参照」機能も、内部的にはブックマークを利用しています。
参照元のブックマークを削除したり名前を変更したりすると、相互参照の表示が「エラー! 参照元が見つかりません。」といったメッセージに置き換わってしまいます。
この場合は、参照先を再設定するか、該当箇所にあらためてブックマークを作成し直すことで解消可能です。
文書全体の相互参照を更新したいときは、すべてを選択してからF9キーを押すと、フィールドが一括で更新されるため覚えておくと便利かもしれません。
【リンクが機能しないときはリンクの挿入ダイアログでブックマーク一覧に対象が表示されているか確認し、相互参照はF9キーで一括更新すること】
対処法4【不要なブックマークを削除する方法】
ブックマークを整理したい、あるいは重複した名前を解消したいときには、削除の手順を知っておく必要があります。
手動での削除と、数が多い場合に便利なマクロを使った一括削除の両方を紹介します。
手動で1つずつ削除する
「挿入」タブの「ブックマーク」をクリックすると、現在文書内に存在するブックマークの一覧が表示されます。
削除したいブックマーク名を選択し、「削除」ボタンをクリックすれば完了です。

注意したいのは、ブックマークを削除しても、そこに設定されていた文字列自体は消えないという点です。
あくまでも目印だけが取り除かれる仕組みなので、本文の内容を誤って失う心配はありません。
ただし、そのブックマークを参照していたハイパーリンクや相互参照は、削除と同時にリンク切れの状態になってしまいます。
VBAで一括削除する
ブックマークの数が数十個、数百個に及ぶ場合、一つずつ手動で削除するのは現実的ではありません。
そのようなときはVBAマクロを使うことで、文書内のすべてのブックマークを一括で削除できます。
「開発」タブの「Visual Basic」からエディターを開き、標準モジュールに以下のコードを貼り付けて実行してください。
Sub DeleteAllBookmarks()
Dim bmk As Bookmark
Do While ActiveDocument.Bookmarks.Count > 0
ActiveDocument.Bookmarks(1).Delete
Loop
MsgBox "すべてのブックマークを削除しました。"
End Sub
このマクロは文書内のすべてのブックマークを対象とするため、特定のものだけを残したい場合には注意が必要です。
特定の名前を含むブックマークだけを削除したい場合は、条件分岐を追加してInStr関数で名前を判定する形に書き換えるとよいでしょう。
VBAマクロは元に戻す操作が効きにくいため、実行前に必ずファイルのバックアップを取っておいてください。特に一括削除系のマクロは、誤って重要なブックマークまで消してしまう可能性があるため慎重に扱う必要があります。
【少数の削除は挿入タブのブックマーク一覧から手動で行い、大量に存在する場合はバックアップを取った上でVBAマクロを活用すること】
それでも解決しない場合の追加チェックポイント
ここまでの対処法を試しても改善しない場合、文書自体の状態や外部要因が影響していることがあります。
最後に、見落としがちなチェックポイントをまとめて確認していきましょう。
文書の保護や変更履歴の記録を確認する
「校閲」タブの「編集の制限」がオンになっている文書では、書式や内容の変更が制限され、ブックマークの追加自体がブロックされることがあります。
特に「書式の変更を制限する」や「編集の制限」でコメントや記入のみを許可する設定にしていると、通常の編集操作ができなくなるため注意してください。
また、変更履歴の記録中は一部の操作が制約を受けることがあるため、「校閲」タブから「変更履歴の記録」を一時的にオフにして試してみるのも一つの方法です。
共有ファイルとして複数人で同時編集している場合も、他のユーザーの操作と競合してブックマークの追加が反映されないことがあるかもしれません。
ファイルの破損やアドインの干渉を疑う
まれに、文書ファイル自体が一部破損していることが原因で、ブックマーク機能を含む各種機能が正常に動作しないことがあります。
この場合は、新規の白紙文書を作成し、本文だけをコピーして貼り付け直すことで解消できるケースが多いです。
また、サードパーティ製のアドインをインストールしている場合、それが原因でリボンの一部機能が正しく反応しないこともあります。
「Wordをセーフモードで起動する」ことでアドインを無効化した状態を確認できるので、原因の切り分けに役立ててください。
セーフモードは、キーボードのCtrlキーを押しながらWordのアイコンをクリックすることで起動できます。
【編集の制限や変更履歴の記録がオンになっていないかを確認し、それでも直らない場合はセーフモードでアドインの影響を切り分けること】
まとめ ワードでブックマークが定義されていませんの原因と表示の設定(目次エラー等・リンク)対処法
ワードブックマーク追加ができない場合の対処法をまとめると、以下の通りです。
・表示の確認、Wordのオプション画面で「ブックマークを表示する」にチェックを入れる
・削除の見直し、挿入タブのブックマーク一覧やVBAマクロで不要なものを整理する
・リンクの確認、リンクの挿入ダイアログや相互参照でブックマーク一覧に対象が出ているか確かめる
・設定の確認、ブックマーク名に使用できない文字がないか、編集の制限がかかっていないかを見直す
これらの対処法を順番に試していけば、多くのケースでブックマークが追加できないトラブルを解決できるはずです。
特にブックマーク名のルール違反と、表示設定がオフになっていることの二つが原因になっているケースは非常に多く見られます。
まずはこの二点から確認してみることをおすすめします。
それでも解決しない場合は、文書の保護設定やアドインの干渉といった、より根本的な要因を疑ってみてください。
ブックマークは目次作成やクロスリファレンス、長文文書のナビゲーションに欠かせない機能ですので、正しく使いこなして効率的な文書作成に役立てていきましょう。


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