パソコンを使っていて、「動作が重い」「メモリ不足の警告が出る」「メモリ使用率が高すぎる」といった経験はありませんか?
この記事では【Windows11】メモリの解放・使用量を減らす・確認・削減(どのくらいが多い?80や90%など)について解説していきます。
ポイントは
・メモリ使用率80%以上は要注意
・タスクマネージャーで使用状況を確認
・不要なアプリの終了で即座に解放可能
です。
それでは詳しく見ていきましょう。
Windows11のメモリ使用率の目安と確認方法
パソコンのメモリ(RAM)は、アプリケーションやシステムが動作するために使用される作業領域です。
メモリ使用率が高すぎると、パソコンの動作が遅くなったり、アプリケーションがクラッシュしたりする原因になります。
まずは、どのくらいのメモリ使用率が正常なのかを理解しましょう。
メモリ使用率の適正範囲
Windows11における一般的なメモリ使用率の目安は以下の通りです。
・30-50%:正常な範囲、快適に動作
・50-70%:やや高め、通常使用では問題なし
・70-80%:高め、負荷の高い作業では注意が必要
・80-90%:かなり高い、動作が重くなる可能性あり
・90%以上:危険な状態、メモリ不足で動作不安定
アイドル状態(何も操作していない状態)で50%を超えている場合は、バックグラウンドで動作しているアプリが多すぎる可能性があります。
作業中に80%を超える場合は、メモリの解放や増設を検討する必要があるでしょう。
タスクマネージャーでの確認方法
メモリ使用状況を確認するには、タスクマネージャーを使用します。
Ctrl+Shift+Escキーを押してタスクマネージャーを開きます。

または、タスクバーの何もない部分を右クリックして「タスクマネージャー」を選択することもできます。
「パフォーマンス」タブをクリックし、左側のメニューから「メモリ」を選択します。

ここで以下の情報が確認できます。
・使用中:現在使用されているメモリ量
・利用可能:まだ使用できるメモリ量
・コミット済み:システムが予約しているメモリ量
・メモリ使用率:パーセンテージでの表示
右上に表示されるグラフで、時系列でのメモリ使用状況も確認できます。
タスクマネージャーは、パソコンの状態を把握するための最も基本的なツールです。メモリだけでなく、CPU、ディスク、ネットワークの使用状況も確認できるため、動作が重いと感じたらまずタスクマネージャーを開いて状況を確認する習慣をつけましょう。Ctrl+Shift+Escキーは必ず覚えておきたいショートカットです。
Windows11のメモリを解放する方法1【不要なアプリの終了】
メモリ使用率が高い場合、最も即効性のある対処法は、使っていないアプリケーションを終了することです。
タスクマネージャーから簡単に実行できます。
メモリを多く使用しているアプリの確認
タスクマネージャーを開き(Ctrl+Shift+Escキー)、「プロセス」タブを表示します。
「メモリ」の列をクリックすると、メモリ使用量の多い順に並び替えられます。
もう一度クリックすると、昇順・降順が切り替わります。

上位に表示されているアプリが、多くのメモリを消費しているアプリです。
一般的に、以下のようなアプリがメモリを多く使用します。
・Webブラウザ(Chrome、Edge、Firefoxなど)
・画像・動画編集ソフト
・ゲーム
・開発環境(Visual Studio、Android Studioなど)
・仮想マシン
不要なアプリの終了手順
現在使用していないアプリを見つけたら、そのアプリを右クリックします。
「タスクの終了」を選択すると、そのアプリが終了し、メモリが解放されます。
注意:保存していないデータがある場合は失われる可能性があります。

重要なアプリを誤って終了しないよう注意が必要です。
特に、「Windows Explorer(エクスプローラー)」や「システム」と表示されているプロセスは、Windowsの動作に必要なため終了しないでください。
複数のアプリを終了する場合は、一つずつ終了してメモリ使用率の変化を確認しながら行うことをおすすめします。
ブラウザのタブを整理
特にWebブラウザは、タブを多く開いているとメモリを大量に消費します。
Chrome、Edge、Firefoxなどのブラウザでは、1つのタブで数百MBのメモリを使用することもあります。
使っていないタブは閉じて、必要なタブだけを残すようにしましょう。
また、ブラウザの拡張機能もメモリを消費するため、不要な拡張機能は無効化または削除することをおすすめします。
アプリを終了する際は、必ず保存作業を行ってから終了しましょう。特にWord、Excel、画像編集ソフトなど、作業中のファイルがある場合は注意が必要です。また、バックグラウンドで動作しているアプリ(OneDrive、クラウドストレージ、ウイルス対策ソフトなど)も表示されますが、これらは必要なサービスである場合が多いため、むやみに終了しないよう注意してください。
Windows11のメモリを解放する方法2【スタートアッププログラムの無効化】
Windows起動時に自動的に起動するプログラムが多いと、起動時から大量のメモリを消費してしまいます。
不要なスタートアッププログラムを無効化しましょう。
スタートアッププログラムの確認
タスクマネージャーを開き(Ctrl+Shift+Escキー)、「スタートアップ」タブをクリックします。

ここには、Windows起動時に自動的に起動するプログラムが一覧表示されます。
各プログラムの「状態」列には、「有効」または「無効」と表示されています。
また、「スタートアップへの影響」列には、そのプログラムが起動時間にどれだけ影響を与えるかが表示されます。
・高:起動時間への影響が大きい
・中:ある程度影響がある
・低:影響が小さい
不要なプログラムの無効化
以下のようなプログラムは、無効化を検討できます。
・使っていないクラウドストレージサービス
・不要なチャットアプリ
・使用頻度の低いソフトウェア更新プログラム
・メーカー独自のユーティリティツール
無効化したいプログラムを右クリックして「無効化」を選択します。
注意:セキュリティソフトやドライバー関連のプログラムは無効化しないでください。
設定を変更した後、パソコンを再起動すると変更が適用されます。
無効化したプログラムは、必要な時に手動で起動することができます。
無効化してはいけないプログラム
以下のようなプログラムは、システムやセキュリティに重要なため無効化しないでください。
・Windows Security(ウイルス対策)
・グラフィックドライバー関連
・オーディオドライバー関連
・Microsoftの重要なサービス
・使用しているセキュリティソフト
プログラム名から判断が難しい場合は、インターネットで検索して、そのプログラムが何をするものかを確認してから無効化しましょう。
不安な場合は、そのままにしておく方が安全です。
スタートアッププログラムの無効化は、起動時間の短縮とメモリ使用量の削減の両方に効果があります。ただし、無効化するプログラムは慎重に選びましょう。無効化後に問題が発生した場合は、同じ手順で再度「有効」に戻すことができます。まずは影響度が「高」または「中」で、明らかに不要なプログラムから無効化していくことをおすすめします。
Windows11のメモリを解放する方法3【仮想メモリとページファイルの設定】
物理メモリが不足した場合、Windowsは仮想メモリ(ページファイル)を使用します。
この設定を最適化することで、メモリ不足の影響を軽減できます。
仮想メモリとは
仮想メモリは、物理メモリ(RAM)が不足した場合に、ハードディスクやSSDの一部をメモリとして使用する機能です。
ただし、ストレージはRAMよりも遅いため、仮想メモリを多用すると動作が遅くなります。
仮想メモリはあくまで補助的な機能であり、根本的な解決策にはなりません。
それでも、適切に設定することで、メモリ不足によるクラッシュを防ぐことができるでしょう。
仮想メモリの設定変更
スタートボタンを右クリックして「システム」を選択します。

「バージョン情報」または「詳細情報」を開き、「システムの詳細設定」をクリックします。
「詳細設定」タブの「パフォーマンス」セクションで「設定」ボタンをクリックします。

「詳細設定」タブを開き、「仮想メモリ」セクションの「変更」ボタンをクリックしましょう。

「すべてのドライブのページングファイルのサイズを自動的に管理する」のチェックを外します。
各ドライブを選択して「カスタムサイズ」を選び、以下のように設定します。
初期サイズ:物理メモリの1.5倍
最大サイズ:物理メモリの3倍
例えば、8GBのメモリを搭載している場合:
・初期サイズ:12288MB(8GB × 1.5)
・最大サイズ:24576MB(8GB × 3)
設定後、「設定」→「OK」をクリックし、パソコンを再起動すると変更が適用されます。
SSDへのページファイル配置
複数のストレージがある場合、ページファイルはSSDに配置することをおすすめします。
HDDよりもSSDの方が読み書き速度が速いため、仮想メモリの動作も高速になります。
ただし、SSDの寿命を気にする場合は、HDDに配置することも選択肢の一つです。
システムドライブ(通常はCドライブ)にページファイルを配置するのが一般的でしょう。
仮想メモリの設定は、メモリ不足の根本的な解決策ではありません。頻繁にメモリ不足が発生する場合は、物理メモリの増設を検討することをおすすめします。特に、8GB以下のメモリでWindows11を使用している場合は、16GB以上への増設が効果的です。仮想メモリはあくまで一時的な対処法と考えましょう。
Windows11のメモリを解放する方法4【システムの最適化】
Windowsの設定を見直すことで、メモリ使用量を削減できます。
いくつかの最適化方法を確認しましょう。
視覚効果の無効化
Windows11の視覚効果は美しいですが、メモリを消費します。
パフォーマンスを優先する場合は、視覚効果を無効化しましょう。
「システム」→「バージョン情報」→「システムの詳細設定」→「パフォーマンス」の「設定」を開きます。
「視覚効果」タブで「パフォーマンスを優先する」を選択すると、すべての視覚効果が無効になります。

または、「カスタム」を選択して、必要な効果だけを残すこともできます。
特にメモリ消費が大きい以下の効果は、無効化を検討できるでしょう。
・ウィンドウをドラッグしているときに内容を表示する
・ウィンドウの下に影を表示する
・アニメーション効果
バックグラウンドアプリの制限
バックグラウンドで動作するアプリを制限することで、メモリを節約できます。
「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開きます。

各アプリの「…」をクリックして「詳細オプション」を選択します。
「バックグラウンドアプリのアクセス許可」で、以下のいずれかを選択できます。
・常にオン:常にバックグラウンドで動作
・電源の最適化:必要に応じて動作
・なし:バックグラウンドで動作しない
不要なアプリは「なし」に設定することで、メモリ使用量を削減できます。
Windows Searchのインデックス設定
Windows Searchは便利ですが、インデックス作成時にメモリを消費します。
「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windows のアクセス許可」→「検索」を開きます。
「拡張」モードではすべてのドライブをインデックス化しますが、「クラシック」モードでは必要な場所のみをインデックス化します。
メモリ使用量を抑えたい場合は、「クラシック」モードを選択しましょう。
また、「インデックスのオプション」から、インデックス化する場所を細かく指定することもできます。
システムの最適化は、見た目や利便性とのトレードオフになります。視覚効果を無効にすると、Windowsの外観がシンプルになりますが、パフォーマンスは向上します。また、バックグラウンドアプリを制限すると、通知が遅れるなどの影響が出る場合もあります。自分の使用環境に合わせて、バランスを取りながら設定することをおすすめします。
まとめ Windows11のメモリ解放・削減方法(使用量を減らす・確認・80や90%)
Windows11のメモリ管理について、重要なポイントをまとめると
・適正使用率:30-50%が正常、80%以上は要注意、90%以上は危険な状態
・確認方法:Ctrl+Shift+Escキーでタスクマネージャーを開き、パフォーマンスタブでメモリ使用状況を確認
・不要アプリの終了:タスクマネージャーのプロセスタブで、メモリ使用量の多いアプリを終了
・スタートアップ無効化:タスクマネージャーのスタートアップタブで、不要なプログラムを無効化
・仮想メモリ設定:初期サイズは物理メモリの1.5倍、最大サイズは3倍に設定
・システム最適化:視覚効果の無効化、バックグラウンドアプリの制限
これらの方法を理解しておけば、メモリ使用率が高い場合でも適切に対処できるようになります。
特にタスクマネージャーでの確認と不要アプリの終了は、即効性があるため、まずこれを試すことをおすすめします。
ただし、頻繁にメモリ不足が発生する場合は、根本的な解決として物理メモリの増設を検討する必要があります。
特に8GB以下のメモリでは、Windows11を快適に使用するには不十分な場合が多いため、16GB以上への増設が効果的でしょう。
Windows11のメモリ管理を正しく理解して、快適なパソコン環境を維持していきましょう!


コメント