パワーポイントでファイルを保存しようとしたとき、「pptx」「ppt」「pptm」といった拡張子の違いに戸惑った経験はありませんか。
この記事では、pptxファイルとは何か、その意味や他の拡張子との違いについてわかりやすく解説していきます。
ポイントは
・pptxはPowerPoint 2007以降の標準形式
・pptは旧バージョンの形式
・pptmはマクロを含む形式
です。
それでは詳しく見ていきましょう。
pptxファイルとは?拡張子の意味をわかりやすく解説
pptxファイルとは、Microsoft PowerPoint 2007以降で採用された標準的なファイル形式のことです。
この拡張子は「PowerPoint」の「ppt」に、XMLベースの新しいファイル形式を示す「x」が付いたもので、正式には「Office Open XML形式」と呼ばれています。
2007年のOffice大幅アップデートに伴い導入されたこの形式は、従来のppt形式と比較して、ファイルサイズが小さく、データの破損に強いという特徴を持っています。

pptxファイルの特徴
pptxファイルには、いくつかの優れた特徴があります。
まず、ファイルが自動的に圧縮される仕組みになっているため、画像や動画を多く含むプレゼンテーションでも、比較的コンパクトなサイズで保存できるでしょう。
また、XMLという構造化されたデータ形式を採用しているため、ファイルの一部が破損しても全体が開けなくなるリスクが低くなっています。
さらに、pptxファイルは実は複数のXMLファイルや画像ファイルをZIP形式でまとめたものなので、拡張子を「.zip」に変更すれば中身を確認することも可能です。
セキュリティ面でも改善が施されており、マクロを含まない通常のpptxファイルでは、悪意のあるコードが実行されるリスクが大幅に軽減されています。
pptxとpptの違いは何か
pptxとpptの最も大きな違いは、対応するPowerPointのバージョンです。
pptファイルはPowerPoint 2003以前の旧形式で、pptxはPowerPoint 2007以降の新形式となっています。

この形式の違いにより、ファイルの内部構造も大きく異なります。
互換性の違い
pptファイルは古いバージョンのPowerPointで作成されたため、新しいバージョンでも開くことができますが、最新機能の一部が正しく表示されない場合があります。
一方、pptxファイルを古いバージョン(PowerPoint 2003以前)で開くには、Microsoft公式の互換機能パックをインストールする必要があるかもしれません。
ファイルサイズの面でも違いがあり、同じ内容のプレゼンテーションであれば、pptxファイルの方が30〜50%程度小さくなることが多いです。
機能面での違い
pptx形式では、PowerPoint 2007以降に追加された新しい機能やエフェクトをフルに活用できます。
SmartArtグラフィックスや高度なアニメーション効果、3D効果など、より洗練されたプレゼンテーション作成が可能になっているでしょう。
また、協同作業やクラウド連携の機能も、pptx形式の方が充実しています。
【操作のポイント】
pptファイルをpptxに変換するには、PowerPointで開いて「名前を付けて保存」から「PowerPointプレゼンテーション(.pptx)」を選択するだけで完了します。
pptxとpptmの違いとマクロ機能
pptxとpptmの違いは、マクロ(自動化プログラム)を含むかどうかという点にあります。

pptmの「m」は「Macro(マクロ)」を意味しており、VBAで作成された自動化プログラムを含むことができる形式です。
pptmファイルを使用するタイミング
マクロを使えば、繰り返し行う操作を自動化したり、複雑な処理を簡単に実行したりすることが可能になります。
例えば、複数のスライドに同じ書式を一括適用したり、外部データを自動的に取り込んでグラフを更新したりといった作業が効率化できるでしょう。
ただし、マクロには注意点もあります。
マクロはプログラムコードを実行するため、悪意のある第三者が作成したマクロを含むファイルを開くと、コンピューターに被害が及ぶ可能性があります。
そのため、信頼できるソースから入手したpptmファイル以外は、安易に開かないよう注意が必要です。
マクロの有無による使い分け
通常のプレゼンテーション資料を作成する場合は、セキュリティ面を考慮してpptx形式を使用することをおすすめします。
マクロによる自動化機能が必要な場合にのみ、pptm形式を選択するという使い分けが賢明でしょう。
また、pptxファイルにマクロを追加しようとすると、自動的にpptm形式で保存するよう促されます。
【操作のポイント】
マクロを含むファイルを開く際は、「コンテンツの有効化」ボタンが表示されるので、ファイルの提供元を確認してから慎重に判断しましょう。
その他のパワーポイント関連拡張子
pptx、ppt、pptm以外にも、PowerPointには様々な拡張子が存在しています。
ppsx(PowerPointスライドショー)
ppsxファイルは、開くと自動的にスライドショーが始まる形式です。
編集モードではなく、直接プレゼンテーション表示になるため、発表時に便利でしょう。
通常のpptxファイルは編集モードで開きますが、ppsxなら誤って編集してしまう心配がありません。
potx(PowerPointテンプレート)
potxファイルは、プレゼンテーションのテンプレートとして使用される形式です。
デザインやレイアウトが設定されたひな形として保存され、新しいプレゼンテーションを作成する際の基礎となります。
企業で統一されたデザインのプレゼンテーションを作成する際などに活用されています。
pdf(Portable Document Format)
PowerPointファイルをpdf形式で保存することも可能です。
pdf形式にすれば、PowerPointがインストールされていない環境でも、プレゼンテーション内容を確認できるようになります。
また、編集されたくない資料を配布する際にも便利な形式といえるでしょう。
【操作のポイント】
pdf保存は「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPSの作成」から行えます。
まとめ pptxファイル(拡張子)とは?pptやpptmとの違い
パワーポイントのファイル形式についてまとめると
・pptxはPowerPoint 2007以降の標準形式で、ファイルサイズが小さく安全性が高い
・pptは2003以前の旧形式で、互換性は高いが機能面で制約がある
・pptmはマクロを含むことができる形式で、自動化が必要な場合に使用する
・その他にもppsx(スライドショー)やpotx(テンプレート)など、用途に応じた形式が存在する
これらの違いを理解しておけば、目的に応じて適切なファイル形式を選択できます。
通常の業務では、セキュリティ面でも優れているpptx形式の使用が推奨されるでしょう。
ただし、古いバージョンのPowerPointを使用している相手とファイルを共有する場合は、ppt形式での保存を検討する必要があるかもしれません。
また、マクロ機能を使用する際は、信頼できるソースから入手したファイルのみを開くよう十分注意してください。
パワーポイントの各ファイル形式の特徴を正しく理解して、効率的にプレゼンテーション資料を作成していきましょう。


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