パソコンで名前を入力する際に、普通の「高」ではなく、「髙」(はしごだか)という旧字体を入力したいのに、通常の変換では出てこなくて困った経験はありませんか。
この記事では、旧字体の高の出し方(パソコン・髙・はしごだかの漢字・異体字・キーボードの入力方法)について解説していきます。
ポイントは
・通常の変換候補から選択する方法
・IMEパッドの手書き入力の活用
・文字コード入力と辞書登録
です。
それでは詳しく見ていきましょう。
はしごだか「髙」とは
一般的に使われている「高」という漢字には、複数の字体が存在します。
標準的な「高」と、口の部分が縦に2つ並んだ「髙」(はしごだか・はしごたかとも呼ばれる)があり、主に人名で使い分けられています。
「髙橋」「髙田」などの姓で、この旧字体が使用されることが多いでしょう。

見た目の違いは、中央部分が「口」か、口の縦棒が長く上下の横棒と接しているかという点です。
中央部がはしご状に見えることから「はしごだか」と呼ばれています。
戸籍や正式な書類では、正確な字体を使用することが重要になるでしょう。
はしごだかの入力方法1【通常の変換から選択】
最も基本的な方法は、「たか」や「たかい」と入力して変換候補から選択する方法です。
Windows10やWindows11の標準IMEでは、変換候補に旧字体が含まれていることがあります。
まずはこの簡単な方法を試してみましょう。
操作方法
キーボードで「たかい」または「たか」と入力します。
スペースキーを押して変換すると、最初は標準的な「高い」や「高」が表示されます。
さらにスペースキーを何度か押して、変換候補を進めていきましょう。

候補の中に「髙」が表示されることがあるので、見つけたら確定します。
変換候補が多い場合は、下矢印キーを使って候補一覧をスクロールできます。
もし候補に表示されない場合は、変換候補ウィンドウの下部にある「変換候補の一覧」や「すべて表示」をクリックすると、より多くの候補が表示されるでしょう。
IMEの設定や辞書の状態によっては、すぐに表示されることもあれば、表示されないこともあります。
この方法で見つからない場合は、次の方法を試してください。
操作のポイント:「たかい」または「たか」と入力してスペースキーで変換。候補一覧をスクロールして「髙」を探しましょう。
はしごだかの入力方法2【IMEパッドの手書き入力】
最も確実で簡単な方法は、IMEパッドの手書き入力機能を使用する方法です。
この方法なら、漢字の正確な読み方を知らなくても、形さえ分かれば確実に入力できます。
Windows11でもWindows10でも、同様の手順で利用可能です。
操作方法
タスクバーの右下にあるIMEアイコン(「あ」または「A」と表示されているアイコン)を右クリックします。

メニューから「IMEパッド」を選択しましょう。
IMEパッドのウィンドウが開いたら、左側のアイコンから「手書き」を選択してください。

左側の白い入力エリアに、マウスで「髙」の字を描きます。
中央部分を縦に2つの口として描くことがポイントです。

描いている途中から、右側に候補となる漢字が表示されます。
候補の中から「髙」を見つけてクリックすると、カーソル位置に文字が入力されます。
うまく認識されない場合は、「消去」ボタンで描き直してみましょう。
特に中央部分を明確に2つの口として描くと、認識精度が上がります。
何度か描き直すことで、目的の字が候補に表示されるはずです。
この方法は確実性が高く、特殊な設定も不要なため、初めての方にもおすすめです。
操作のポイント:IMEアイコンを右クリック→IMEパッド→手書きを選択。中央部分を縦に2つの口として描けば、髙が候補に表示されます。
はしごだかの入力方法3【文字コードから入力】
文字コード(Unicode)を使用して直接入力する方法もあります。
この方法は、文字コードさえ覚えておけば、素早く確実に入力できる利点があります。
特に頻繁に使用する場合は、この方法を覚えておくと便利でしょう。
操作方法
文書やエクセルなど、はしごだかを入力したい位置にカーソルを置きます。
以下の文字コードを半角英数字で入力してください。
9ad9
文字コードを入力したら、そのままの状態でF5キーを押します。
すると、文字コードが「髙」の字に変換されます。
もしF5キーで変換されない場合は、IMEの設定によって動作が異なることがあります。
その場合は、文字コードを入力した後、変換キー(スペースキー)を押してみましょう。
Wordなどの一部のアプリケーションでは、文字コードを入力した後、AltキーとXキーを同時に押す方法も有効です。
文字コードは大文字小文字を区別しないため、「9AD9」と入力しても同じ結果になります。
この方法に慣れれば、IMEパッドを開く手間が省けて効率的です。
ただし、文字コードを忘れてしまうと使えないため、メモしておくか辞書登録することをおすすめします。
操作のポイント:「9ad9」と入力してF5キーを押すだけで変換可能。文字コードを覚えておけば、最も素早く入力できます。
はしごだかの入力方法4【IME辞書に登録する】
頻繁に使用する場合は、IMEの辞書機能に「髙」を登録しておくと便利です。
一度登録すれば、「たか」や「たかはし」などの読みで変換候補に確実に表示されるようになります。
この方法が最も実用的で効率的でしょう。
操作方法
まず、前述のIMEパッドや文字コード入力で「髙」を一度入力しておきます。
入力した「髙」の文字を選択してコピーしましょう。
タスクバーのIMEアイコンを右クリックし、「単語の追加」または「ユーザー辞書ツール」を選択します。

Windows11では「設定」→「単語の登録」という表示になっていることもあります。
単語の登録画面が開いたら、「単語」の欄にコピーした「髙」を貼り付けます。
「よみ」の欄には、変換時に入力する読み方を設定しましょう。
よみ:たか
単語:髙
または姓全体で登録する場合は
よみ:たかはし
単語:髙橋

「品詞」は「名詞」を選択するのが一般的です。
「登録」ボタンをクリックすると、辞書に登録されます。
以降は、「たか」や「たかはし」と入力して変換すると、候補に「髙」や「髙橋」が表示されるようになるでしょう。
複数の読み方で登録しておくと、さらに便利です。
例えば、「たか」「たかい」「はしごだか」などの読み方で、それぞれ同じ「髙」を登録しておくこともできます。
登録した単語を削除したい場合は、ユーザー辞書ツールを開いて該当する単語を選択し、削除できます。
操作のポイント:IMEアイコン→単語の登録で「よみ」と「単語」を設定。一度登録すれば、通常の変換で簡単に入力できるようになります。
はしごだかの入力方法5【文字一覧から選択】
Windowsの文字コード表を使用して、はしごだかを探す方法もあります。
この方法は、他の旧字体や異体字も同時に探したい場合や、複数の字体を比較したい場合に便利です。
頻繁には使わないものの、覚えておくと役立つ方法でしょう。
操作方法
Windowsの検索ボックスに「文字コード表」または「charmap」と入力して、文字コード表アプリを起動します。

文字コード表が開いたら、フォントを適切なものに設定します。
「フォント」ドロップダウンメニューから、「MS ゴシック」や「Yu Gothic」などを選択しましょう。
画面下部の「検索する文字列」に「高」と入力して、「検索」ボタンをクリックします。
高に関連する文字が表示されるので、はしごだか「髙」を探してダブルクリックしてください。
選択した文字が「コピーする文字列」欄に表示されるので、「コピー」ボタンをクリックします。
その後、文書やエクセルなど、使用したいアプリケーションで貼り付ければ、「髙」が入力されます。
文字コード表では、同じ漢字の異なる字体や関連する文字も一緒に表示されるため、比較しながら選択できる利点があります。
例えば、「高」「髙」「﨑」など、似た字体を並べて確認できるでしょう。
ただし、この方法は他の方法に比べて手順が多いため、頻繁に使用する場合は辞書登録をおすすめします。
操作のポイント:文字コード表を起動し、「高」で検索して髙を探す。ダブルクリックしてコピーボタンで取得し、貼り付けて使用しましょう。
はしごだかの入力方法6【異体字セレクタを使用】
Windows10以降では、異体字セレクタ(IVS)という機能を使って、標準の「高」から「髙」に変換する方法もあります。
この方法は少し専門的ですが、フォントによっては有効な場合があります。
ただし、すべての環境で動作するわけではないため、確認が必要でしょう。
操作方法
まず、通常の「高」を入力します。
入力した「高」の直後にカーソルを置き、以下の操作を行います。
一部のIMEやアプリケーションでは、「高」を選択して右クリックすると、「異体字の挿入」というメニューが表示されることがあります。
このメニューが表示される場合は、選択すると利用可能な異体字の一覧が表示されます。
その中から「髙」を選択すれば、文字が置き換わります。
ただし、この機能はアプリケーションやIMEのバージョンによって利用できない場合があります。
また、フォントによっては異体字セレクタに対応していないこともあるため、表示されない場合は他の方法を使用しましょう。
Word 2016以降では、「挿入」タブの「記号と特殊文字」から「その他の記号」を選択し、「文字コード」に「9ad9」を入力して「挿入」することもできます。
この方法は環境によって動作が異なるため、確実性を求める場合は前述のIMEパッドや文字コード入力を使用することをおすすめします。
操作のポイント:通常の高を入力後、右クリックで異体字の挿入を選択。環境によっては利用できないため、他の方法も併用しましょう。
はしごだかが入力できない・表示されない場合の確認事項
上記の方法を試しても「髙」が正しく表示されない場合、いくつかの原因が考えられます。
フォントの問題、Unicodeのサポート状況、アプリケーションの制限などが関係しているかもしれません。
トラブルシューティングのポイントを確認しておきましょう。
対処法
まず、使用しているフォントが「髙」の字をサポートしているか確認します。
一部の古いフォントや装飾的なフォントでは、旧字体が表示されないことがあります。
「MS ゴシック」「メイリオ」「Yu Gothic」「游ゴシック」などの標準的な日本語フォントを使用してみましょう。
WordやExcelで入力する場合、セルやテキストを選択して「ホーム」タブからフォントを変更できます。
次に、アプリケーションがUnicodeに対応しているか確認してください。
最近のアプリケーションはほとんど対応していますが、古いソフトウェアでは表示できないこともあります。
文字が四角い記号(□)や疑問符(?)で表示される場合は、フォントまたはUnicodeのサポート問題です。
別のアプリケーション(メモ帳、Word、Excelなど)で試してみて、表示できるか確認しましょう。
また、印刷時に正しく表示されるかも重要です。
画面では表示されても、プリンタのフォントが対応していない場合、印刷時に文字化けすることがあります。
印刷プレビューで確認してから印刷することをおすすめします。
PDFに変換する場合も、フォントを埋め込む設定にしておくと、他の環境でも正しく表示されやすくなります。
公式な文書で使用する場合は、事前に印刷テストを行い、受け取る側の環境でも正しく表示されるか確認することが大切でしょう。
メールで送信する場合も、相手の環境で文字化けしないよう、事前にテスト送信することをおすすめします。
操作のポイント:標準的な日本語フォント(MS ゴシック、メイリオ、Yu Gothicなど)を使用。文字化けする場合は、別のアプリケーションで試して原因を特定しましょう。
まとめ 旧字体の高の出し方(パソコン・髙・はしごだかの漢字・異体字・キーボードの入力方法)
パソコンで旧字体の高「髙」(はしごだか)を入力する方法をまとめると
・基本的な方法:「たかい」や「たか」と入力してスペースキーで変換、候補から選択
・最も確実な方法:IMEアイコン→IMEパッド→手書きで中央を2つの口として描いて選択
・素早い方法:「9ad9」と入力してF5キーで変換
・頻繁に使う場合:IMEの単語登録で「たか」や「たかはし」の読みで登録
・他の異体字も探す場合:文字コード表で「高」を検索して選択
・アプリケーション固有の方法:異体字の挿入機能や記号と特殊文字から選択
・表示されない場合:MS ゴシックやメイリオなどの標準フォントに変更
これらの方法を状況に応じて使い分けることで、確実に「髙」を入力できるはずです。
初めて入力する場合はIMEパッドの手書き入力が最も確実で、頻繁に使用する場合は辞書登録が最も効率的でしょう。
文字コード入力(9ad9とF5キー)は、慣れれば最も素早く入力できる方法です。
正式な書類や名前を入力する際は、標準的な「高」と旧字体の「髙」を正しく使い分けることが重要になります。
どの方法を使う場合も、印刷やファイル共有時に正しく表示されるか、事前に確認しておくことをおすすめします。
Windows11でもWindows10でも基本的な操作方法は同じですので、これらのテクニックを活用して正確な文字入力を行っていきましょう。


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