本記事では、拡張子変更時でも安全にファイル形式を変換できる、3つの方法(基本変換版から一括処理版まで)を紹介します。
どの方法がどのような状況に向いているのかなどについても併せて解説していきます。
先に対策の項目を示しておくと、以下のような方法となります。それぞれの性質を理解したうえで、適宜使い分けするようにしてください。
→ 基本的な保存形式変更で安全にファイル形式を変換
・エクセルで拡張子の変更(xlsとxlsxを一括で)方法
→ 複数ファイルを効率的に一度に変換処理
・エクセルで拡張子の変更(xlsxとマクロのxlsm)方法
→ マクロの必要性に応じた適切な形式選択と相互変換
それでは一つ一つ見ていきましょう。
エクセルで拡張子の変更(xlsとxlsx:文字化けしないように)方法1【基本方法】
文字化けを防いで確実にファイル形式を変更したい、または古いxlsファイルを新しい形式に変換したい場合におすすめです。
古いxls形式のファイルが保存されていて、その内容をもとに、xlsx形式に安全に変換する方法です。

まず、変換したいxlsファイルをExcelで開きます。
ファイルが開いた状態で、「ファイル」タブをクリックし、「名前を付けて保存」を選択します。
「名前を付けて保存」ダイアログが表示されたら、「ファイルの種類」で「Excelブック (*.xlsx)」を選択します。
・「名前を付けて保存」を使用することで、元ファイルを保持しつつ新形式で保存できます。
・単純なファイル名変更とは異なり、内部データ構造も適切に変換されます。

この方法により、データの整合性を保ちながら、文字化けすることなくxlsx形式に変換できます。
ただし、この方法では一度に一つのファイルしか変換できないため、大量のファイルがある場合は時間がかかります。
エクセルで拡張子の変更(xlsとxlsxを一括で)方法2【VBAマクロを活用】
2つ目の方法は、VBAマクロを使って複数のxlsファイルを自動的にxlsx形式に変換するというものです。
先ほどの「一つずつしか変換できない」という問題は解消されます。
フォルダ内に複数のxlsファイルが保存されていて、これらを自動的にxlsx形式に変換したい場合、VBAマクロを活用していきます。

まず、新しいExcelファイルを開き、「Alt + F11」キーでVBAエディタを起動します。
すると、「Microsoft Visual Basic Applications」というウィンドウが開きます。

続いて、「挿入」→「標準モジュール」を選択します。

白紙の画面が表示されるので、その中に以下の内容を入れ込みます。
コードの入力が終わったら、▶をクリックし、今回作成した名前(ConvertXlsToXlsx)を選択して実行します。


実行すると、自動で処理が進みます。終了すると「変換処理が完了しました」とメッセージポップが表示されるようになっていますので、その表示が確認出来たら作業完了となります。
この方法により、「フォルダ内の全xlsファイル」が「内部構造も含めて適切にxlsx形式」に自動変換されます。
ただし、この方法は仕組みとして一つ一つのファイルを開いてファイル形式を変更して上書き保存をする、という工程を自動化したにすぎませんので、大量ファイル処理時は時間がかかる可能性があることに留意してください。
エクセルで拡張子の変更(xlsxとマクロのxlsm)方法3【マクロ有無に応じた双方向変換】
次に紹介する方法が、マクロの必要性に応じて適切な形式を選択する方法となりますが、xlsmという特殊な拡張子の使い分けを理解することが重要です。
通常のxlsxファイルがあって、これに自動化機能(マクロ)を追加したい場合、または逆にマクロ付きファイルからマクロを削除したい場合、適切な形式変換を使用しますが、これは、「マクロの有無に応じて最適な形式で管理する」というものです。
【マクロを追加する場合:xlsx → xlsm】

まず、マクロ機能が必要になった際は、必ずxlsm形式で保存する必要があります(古い形式の場合はxls形式で補完されますが推奨されません)。
xlsxファイルにマクロを追加した後、「ファイル」→「名前を付けて保存」から「Excelマクロ有効ブック (*.xlsm)」を選択します。
「必ずxlsm形式で保存する必要があります」と書きましたが、これは、xlsx形式ではマクロが保存できないため、マクロ機能を使用する場合は必ずxlsm形式にする必要があるからです。
【マクロを削除する場合:xlsm → xlsx】

次に、マクロが不要になった場合は、セキュリティとファイル軽量化のため、xlsx形式に戻すことが推奨されます。xlsmファイルを開き、「ファイル」→「名前を付けて保存」から「Excelブック (*.xlsx)」を選択します。
この際、「マクロを含む機能は削除されます」という警告が表示されますが、「はい」を選択してマクロを削除します。
重要な注意点:
• VBAがないのにxlsm形式で保存し続けるのは、セキュリティリスクとファイルサイズ増大の原因となります
• 企業環境では、不要なマクロファイルはセキュリティポリシー違反となる場合があります。
• 定期的にファイル形式を見直し、マクロの必要性に応じて適切な形式を選択しましょう。
この方法を使用することで、マクロの必要性に応じた最適なファイル管理ができます。
まとめ エクセルで拡張子の変更(xlsとxlsx:文字化けしないように)方法
ここまで、エクセルで拡張子の変更(xlsとxlsx:文字化けしないように)方法について確認してきました。
紹介したそれぞれの方法を理解し、業務に役立てていきましょう。
特にマクロ付きファイルでは、必要性に応じた適切な形式選択が重要となります。


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