エクセルでファイルを作成すると、「作成者名が自動的に記録されている」「最終更新者の情報を削除したい」「ファイルを共有する前に個人情報を消したい」「複数のファイルの作成者をまとめて削除したい」といった場面に遭遇することはありませんか? 特に、社外にファイルを送付する際には、個人情報やプライバシーに配慮した対応が必要でしょう。
この記事では【Excel】エクセルで作成者の削除(一括も・プロパティ・最終更新者も・まとめて消す・個人情報を消去)する方法について解説していきます。
ポイントは
・ドキュメント検査機能で個人情報を一括削除
・プロパティから作成者と最終更新者を手動で削除
・複数ファイルの作成者情報を効率的に消去
です。
それでは詳しく見ていきましょう。
エクセルでドキュメント検査機能を使って作成者を一括削除する方法1【個人情報の完全削除】
エクセルで作成者情報を削除する最も確実で効率的な方法は、ドキュメント検査機能を使ってファイル内の個人情報や非表示データを一括で削除することです。
この方法なら、作成者だけでなく、最終更新者、コメント、非表示のワークシートなど、様々な個人情報を一度に削除できるため非常に便利でしょう。
例えば、以下のような売上レポートを社外に送付する場合を考えてみましょう。
このファイルの作成者情報や最終更新者の名前を削除してから共有したい場合に有効です。
解決方法
まず、「ファイル」タブをクリックして、左側のメニューから「情報」を選択します。

「情報」画面の右側に「ブックの検査」というセクションが表示されます。その中の「問題のチェック」ボタンをクリックします。
表示されるメニューから「ドキュメント検査」を選択してください。

「ドキュメント検査」ダイアログボックスが開きます。ここで、削除したい情報の種類を選択できます。デフォルトでは全ての項目にチェックが入っていますが、特に重要なのは以下の項目です。
「ドキュメントのプロパティと個人情報」にチェックが入っていることを確認してください。これで、作成者、最終更新者、会社名などの情報が検査対象になります。
他にも「コメント」「非表示の行と列」「非表示のワークシート」なども必要に応じてチェックしましょう。
全ての設定が完了したら、「検査」ボタンをクリックします。検査が完了すると、各項目で見つかった情報が一覧表示されます。

「ドキュメントのプロパティと個人情報」の欄に結果が表示されたら、その横にある「すべて削除」ボタンをクリックしてください。これで、作成者や最終更新者などの個人情報が全て削除されます。

削除が完了すると「削除されました」と表示されます。他の項目も必要に応じて「すべて削除」ボタンをクリックして削除しましょう。
全ての処理が完了したら、「閉じる」ボタンをクリックしてダイアログを閉じます。

この方法を使うと、ファイルのプロパティから作成者情報が完全に削除されるため、ファイルを右クリックして「プロパティ」を表示しても作成者名は表示されなくなります。
ただし、ドキュメント検査は一度実行すると元に戻せない場合があるため、重要なファイルは事前にバックアップを取っておくことをおすすめします。
また、削除後もファイルを保存しないと変更が反映されないため、必ず「Ctrl + S」キーでファイルを保存してください。
【操作のポイント:ドキュメント検査機能なら作成者や最終更新者などの個人情報を一括で完全削除可能】
エクセルでプロパティから作成者と最終更新者を手動で削除する方法2【詳細プロパティの編集】
ドキュメント検査を使わずに、より細かく作成者情報だけを削除したい場合もあるでしょう。
そんな時に役立つのが、ファイルのプロパティから作成者と最終更新者の情報を直接編集して削除する方法です。
この方法なら、他の情報は残したまま、作成者情報だけを選択し削除できます。
例えば、在庫管理シートで作成者名だけを変更または削除したい場合を考えてみましょう。
このファイルの作成者名を部署名を一般的な名称に変更したい場合に有効です。
解決方法
「ファイル」タブをクリックして、左側のメニューから「情報」を選択しましょう。
右側の「プロパティ」セクションに、作成者や最終更新者などの情報が表示されています。「作成者」の欄をクリックすると、直接編集できるようになります。

作成者名を削除したい場合は、表示されている名前を全て削除して空白にするか、「一般ユーザー」や「管理部」といった一般的な名称に変更してください。

さらに詳細な情報を編集するには、「プロパティ」の右上にある「プロパティ」ドロップダウンをクリックして、「詳細プロパティ」を選択します。

「プロパティ」ダイアログボックスが開いたら、「ファイルの概要」タブを選択しましょう。ここに作成者、会社名、コメントなどの情報が表示されています。
「作成者」欄の内容を削除するか、別の名前に変更してください。同様に「会社」欄や「コメント」欄も必要に応じて削除または変更してください。

「詳細情報」タブをクリックすると、「最終更新者」の情報も確認できます。ただし、この欄は直接編集できないため、最終更新者を変更するには、ファイルを保存する際に自動的に更新されます。
全ての変更が完了したら、「OK」ボタンをクリックしてダイアログを閉じます。

変更を確定するために、必ずファイルを保存してください。「Ctrl + S」キーを押すか、「ファイル」タブから「上書き保存」を選択しましょう。
この方法では、作成者情報を完全に削除するのではなく、別の名前に置き換えることもできるため、組織名や部署名に統一したい場合に便利です。
ただし、最終更新者については、ファイルを保存した人の名前が自動的に記録されるため、完全に削除するにはドキュメント検査を使う方が確実です。
また、Windowsのエクスプローラーからもプロパティにアクセスできます。ファイルを右クリックして「プロパティ」を選択し、「詳細」タブから作成者情報を削除することも可能です。
【操作のポイント:プロパティ編集なら作成者情報を選択的に削除または変更できて他の情報は維持】
エクセルで複数ファイルの作成者情報をまとめて削除する方法3【エクスプローラーで一括処理】
一つのファイルだけでなく、複数のExcelファイルの作成者情報をまとめて削除したい場合もあります。
そのような場合は、Windowsのエクスプローラーから複数ファイルのプロパティを一括で削除する方法が効率的です。
大量のファイルを処理する際には、この方法で時間を大幅に短縮できるでしょう。
例えば、フォルダ内に複数の月次レポートがあり、全てのファイルから作成者情報を削除したい場合を考えてみましょう。
これらの全てのファイルから作成者情報を一括で削除したい場合に有効です。
解決方法
まず、手動で複数ファイルを処理する場合は、各ファイルを開いて前述のドキュメント検査を実行する方法が確実です。ファイル数が少ない場合はこれが最も安全な方法でしょう。
より効率的な方法として、Windowsのエクスプローラーから複数ファイルのプロパティを一括編集する方法があります。

まず、作成者情報を削除したい複数のExcelファイルを選択します。Ctrlキーを押しながらファイルをクリックすることで、複数選択できます。
選択したファイルの上で右クリックして、「プロパティ」を選択してください。
複数ファイルのプロパティダイアログが開いたら、「詳細」タブを選択します。一番下に「プロパティや個人情報を削除」というリンクがあるのでクリックします。

「プロパティの削除」ダイアログが表示されます。ここで「可能なすべてのプロパティを削除してコピーを作成」または「このファイルから次のプロパティを削除」をします。
「可能なすべてのプロパティを削除してコピーを作成」を選択すると、元のファイルは残したまま、プロパティが削除された新しいファイルが作成されるため安全です。
「このファイルから次のプロパティを削除」を選択した場合は、削除したいプロパティにチェックを入れ、「OK」をクリックすることで、元のファイルから直接削除されます。
作成者、タイトル、件名、タグなど、削除したい項目にチェックを入れて「OK」をクリックすれば、選択した全てのファイルから一括でプロパティが削除されます。

ファイル数が多い場合は、作業を始める前に必ず全ファイルのバックアップを取り、少数のテストファイルで動作を確認してから本番実行することが重要です。
最も安全で確実な方法は、やはり各ファイルを開いてドキュメント検査を実行することですが、時間はかかるもののミスのリスクは最小限に抑えられるでしょう。
【操作のポイント:エクスプローラーのプロパティ削除機能で複数ファイルの作成者情報を一括処理可能】
まとめ エクセルで作成者を削除(プロパティ・最終更新者も・一括で消す・個人情報の消去)する方法
エクセルで作成者の削除方法をまとめると、ドキュメント検査機能を使えば作成者や最終更新者などの個人情報を一括で完全削除でき、社外に共有する前の処理に最適で、プロパティから手動で編集する方法は作成者情報を選択し、削除または変更できて他の情報は維持することが可能です。
また、複数ファイルの処理にはエクスプローラーのプロパティ削除機能を使えば視覚的に操作でき、コピーを作成するオプションを選択すれば元ファイルを保護しながら安全に処理できます。
これらの方法を状況に応じて使い分けていけば、ほとんどの作成者情報削除の問題を解決できます。
特にドキュメント検査機能は最も確実で安全な方法で、社外にファイルを送付する前の標準的な手順としてマスターすることをおすすめします。
ただし、ドキュメント検査で削除した情報は元に戻せない場合があるため、重要なファイルは必ず事前にバックアップを取り、テスト環境で動作確認してから本番ファイルに適用することも大切でしょう。
エクセルの個人情報管理機能を正しく理解して、プライバシーに配慮した安全なファイル共有を実現していきましょう!


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