この記事では、エクセルのパワークエリとは?初心者・できること・使い方(関数・抽出・集計・結合など)について解説していきます。
それでは詳しく見ていきましょう!
エクセルのパワークエリとは?できることは?【初心者向け】
パワークエリとは、Excelの機能の一つで、様々なデータソースからデータを直接取り込み、加工・分析するためのツールです。
いままでのExcel関数では難しかった、複数のデータソースの結合や複雑なデータの整形を行うことができます。
パワークエリでできること5つ
- 様々なデータソースからのデータ取り込み
Excelファイル、CSVファイル、データベース、Webページなど、様々な形式のデータを取り込むことができます。
- データの整形
取り込んだデータを、目的の形式に整形することができます。例えば、日付形式の統一、不要な列の削除、データ型の変換などが可能です。
- データの結合
複数のデータソースのデータを結合し、一つのデータとして扱うことができます。
- データの抽出
条件に合致するデータのみを抽出することができます。
- データの集計
四則演算をはじめとした様々な集計ができます。
パワークエリを使うメリットは、データ突合・整形などの前処理をほぼノーコードで自動化することができることです。またデータソースが更新された場合、クエリを更新することで自動的に更新ができるので、作業の大幅な効率化になるでしょう。
それでは実際のサンプルを用いて、実例を見ていきましょう。
実例1・2で利用するサンプル:ダウンロードはこちら
実例3で利用するサンプル:ダウンロードはこちら
エクセルのパワークエリの使い方実例1【関数・抽出・集計・結合など】
まずパワークエリでデータを取り込み、不要な列を削除する方法をご紹介します。
データの取り込み
新規Excelワークブックを開きます。
データタブのデータ取得→ファイルから→Excelブックからをクリックします。
ダイアログボックスが開くので、取り込みたいExcelワークブックを選択→インポートをクリックします。
ナビゲーターが開きます。
今回はすべてのシートを取込みたいので、「複数のアイテムを選択」にチェック→すべてのシートにチェック→データの変換をクリックします。
パワークエリエディタへのデータ取り込みが完了しました。
不要列の削除
今取り込んだデータの不要列を削除しましょう。
担当列をクリックし、ホームタブの列の削除をクリックします。
不要な列が削除されました。
エクセルのパワークエリの使い方実例2【関数・抽出・集計・結合など】
次は、実例1で取り込んだデータの整形をしていきます。
取り込んだデータの商品コードは、“TS-S-Black”などの値がはいっていますが、これは商品カテゴリ–サイズ–色を表しています。
集計がしやすいように商品コード列を分割していきましょう。
<Before>
<After>
列の分割
商品コード列をクリックします。
ホームタブの「列の分割」から、「区切り記号による分割」をクリックします。
ダイアログボックスが開き分割方法が自動で設定されますので、分割方法をチェックします。
今回は“TS-S-Black“などの値を区切りたいので、区切り記号は”-“で問題ありません。分割方法も区切り記号が出現するたびに区切りたいので、このままOKをクリックします。
列の値が分割されました。
このままだとわかりづらいので、ヘッダーの名前変更をします。
商品コード1をダブルクリック、または、右クリック→名前の変更をクリックし、名前を変更します。
ヘッダーの名前が変更されました。
次に、先ほど実例1で取り込んだ商品コードから品名を取得していきます。(例:TS→Tシャツ)
<Before>
<After>
検索値から値を取得する方法
実はパワークエリでもExcelのVLOOKUP関数のように別シートから値を取得することができます。まず商品コードクエリを整えていきましょう。
商品コードクエリをクリックし、ヘッダーの状態を確認します。
ヘッダーにはColumnという値が設定されており、本来ヘッダーにしたい値(コード・カテゴリ)が設定されていないことがわかります。(黄枠参照)
ホームタブの1行目をヘッダーとして使用をクリックします。
本来ヘッダーにしたい値が設定されデータが整いました。
管理表に戻り、カテゴリ列をクリック→ホームタブのクエリのマージをクリックします。
ダイアログボックスが開きますので、検索値としたい値を指定していきます。ここでは、管理表のカテゴリ列と商品コードのコード列をマッチさせたいので、管理表はカテゴリ列をクリックします。プルダウンで商品コードシートを選択し、コード列を選択しOKをクリックします。
管理表の右端に新しい列が追加されます。
追加された列のヘッダー右端のボタンをクリックします。(赤枠参照)
プルダウンが開きますので、表示させたい列のチェックボックスにチェックを入れます。
ここでは品名(Tシャツなど)を表示させたいので品名にチェックをします。
「元の列名をプレフィックスとして使用します」のチェックボックスはクリアにし、OKをクリックします。(「元の列名をプレフィックスとして使用します」にチェックを入れるとヘッダー名の前に元のテーブル名が入ります。お好みですが、筆者は見づらくなるのでチェックを外すことが多いです。)
品名が表示されました。
カテゴリ列は不要になったので、列の削除をしておきましょう。VLOOKUP関数と違い、検索値であるカテゴリ列の列削除をしても、参照先の品名列に値が残ります。
品名列を2列目にドラック&ドロップし、データの整形ができました。
ホームタブの「閉じて読み込む」ボタンをクリックするとExcel上にテーブルとして読み込まれるので、グラフ化したり見やすいように加工ができます。
元データが追加された時の更新方法
先ほど取り込んだ元データに追加があった時、今までのデータ整形処理を自動で行った上でデータを追加することができます。
元データを開き、赤字データを追加し上書保存します。
パワークエリエディタを開き、ファイルタブからプレビューの更新→すべて更新をクリックします。
追加したデータが反映されました。
先ほど設定したデータ整形処理が自動で行われています。
エクセルのパワークエリの使い方実例3【関数・抽出・集計・結合など】
最後に、同一フォルダに格納された複数のワークシートの取込・結合・更新方法をご紹介します。
同じフォルダに同じ形式のデータが複数ある場合、パワークエリではまとめて1つのデータにすることができます。またデータが追加された場合も、クエリを更新するだけでデータが追加されていくので更新作業も簡単に行うことができます。
同一フォルダに格納された複数のワークシートの取込方法
今回取り込みたいデータは売上日報フォルダにあるExcelワークブックです。
まず、新規Excelワークブックを開きます。
データタブのファイルから→フォルダーからをクリックします。
ダイアログボックスが開くので、取り込みたいフォルダを選択し開くをクリックします。
ダイアログボックスが表示されるので、結合プルダウンからデータ結合と変換をクリックします。
ダイアログボックスが開くので、結合させたいシートを選択し、OKをクリックします。
20240401/20240402/20240403の3つのデータが突合されました。
同一フォルダに新しいデータが追加された場合の更新方法
先ほどのフォルダに新しく20240404データが格納された場合の更新方法をご紹介します。
パワークエリエディターのファイルタブからプレビューの更新→すべて更新をクリックします。
20240404のデータが結合されました。
まとめ エクセルのパワークエリでできることや使い方(関数・抽出・集計・結合など)
この記事では、パワークエリの基本と具体的な活用事例を紹介しました。
パワークエリは、Excelのデータ処理を飛躍的に向上させることができる強力なツールです。プログラム言語を利用することなくほぼノーコードで自動化ができることも大きなメリットです。
ぜひ、ご自身の業務でもパワークエリを活用してみてください。
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