エクセルで日付データから特定の曜日だけを表示したり抽出したりしたいとき、どのように操作すればよいか迷ってしまうことはありませんか。
特に月水金だけに印をつけたり、色を変えたりする作業は、スケジュール管理や勤怠管理で頻繁に発生するものです。
この記事では、エクセルで月水金だけを表示・抽出・○をつける方法について、関数を使った判定方法や条件付き書式による色付け、フィルター機能まで詳しく解説していきます。
ポイントは
・WEEKDAY関数で曜日を判定
・IF関数やIFS関数で月水金に○をつける
・条件付き書式で自動的に色付け
です。
それでは詳しく見ていきましょう。
エクセルで月水金だけに○をつける方法1【WEEKDAY関数とIF関数の組み合わせ】
日付から曜日を判定して、月水金だけに○をつける最も基本的な方法は、WEEKDAY関数とIF関数を組み合わせる方法です。
WEEKDAY関数は日付から曜日を数値として返す関数で、日曜を1、月曜を2、火曜を3というように判定します。
たとえば、A2セルに「2025/10/23」という日付が入力されているとしましょう。
この日付が月水金のいずれかなら○を表示し、それ以外は空白にする場合、以下の数式を入力します。
=IF(OR(WEEKDAY(A2)=2,WEEKDAY(A2)=4,WEEKDAY(A2)=6),”○”,””)

この数式の仕組みを説明しましょう。
・WEEKDAY(A2)で曜日を数値として取得(月曜は2、水曜は4、金曜は6)
・OR関数で、いずれかの条件に一致するかを判定
・IF関数で、条件が真なら○、偽なら空白を表示
2025年10月23日は木曜日なので、この場合は空白が表示されます。


WEEKDAY関数の戻り値について
WEEKDAY関数の第2引数を省略すると、以下の数値が返されます。
・日曜日は1
・月曜日は2
・火曜日は3
・水曜日は4
・木曜日は5
・金曜日は6
・土曜日は7
したがって、月水金は2、4、6となります。
操作のポイント【WEEKDAY関数で曜日を数値判定し、OR関数で複数条件を指定】
エクセルで月水金だけに○をつける方法2【IFS関数を使ったスマートな記述】
Excel 2019以降のバージョンでは、IFS関数を使ってより読みやすく記述できます。
IFS関数は複数の条件を順番に評価し、最初に真となった条件の結果を返す関数です。
=IFS(WEEKDAY(A2)=2,”○”,WEEKDAY(A2)=4,”○”,WEEKDAY(A2)=6,”○”,TRUE,””)

この数式では、月曜、水曜、金曜のいずれかなら○を表示し、それ以外(TRUE、つまり常に真)なら空白を表示します。
曜日名も一緒に表示する方法
○だけでなく、曜日名も表示したい場合は、TEXT関数と組み合わせましょう。
=TEXT(A2,”aaa”)&IF(OR(WEEKDAY(A2)=2,WEEKDAY(A2)=4,WEEKDAY(A2)=6),” ○”,””)

これで「木」や「月 ○」のような表示が可能になります。

TEXT関数の”aaa”は曜日を1文字(月、火、水など)で表示する形式コードです。
操作のポイント【IFS関数でより読みやすい数式に】
エクセルで月水金だけに○をつける方法3【CHOOSE関数とWEEKDAY関数の組み合わせ】
CHOOSE関数を使うと、曜日ごとに異なる表示を柔軟に設定できます。
CHOOSE関数は、指定した番号に対応する値を返す関数です。
WEEKDAY関数の戻り値(1から7)をCHOOSE関数の番号として利用することで、曜日ごとの表示を制御できます。
=CHOOSE(WEEKDAY(A2),””,”○”,””,”○”,””,”○”,””)

この数式では、CHOOSE関数の引数を以下のように指定しています。
・第1引数はWEEKDAY(A2)で曜日番号を取得
・第2引数以降は日曜から順に、表示したい内容を指定
・日曜(1番目)は空白、月曜(2番目)は○、火曜(3番目)は空白、水曜(4番目)は○、木曜(5番目)は空白、金曜(6番目)は○、土曜(7番目)は空白
この方法なら、月水金に○、火木土に△など、複雑な条件も簡単に設定できます。

曜日ごとに異なる記号を表示する例
月水金に○、火木に△、土日は空白にしたい場合は、以下のようにします。
=CHOOSE(WEEKDAY(A2),””,”○”,”△”,”○”,”△”,”○”,””)

CHOOSE関数を使えば、曜日ごとの表示を自由にカスタマイズできるのが魅力です。

操作のポイント【CHOOSE関数で曜日ごとの表示を柔軟に設定】
エクセルで月水金だけを色付けする方法【条件付き書式】
月水金だけにセルの色を付けて視覚的に区別したい場合は、条件付き書式を使う方法が便利です。
条件付き書式を使えば、数式を入力しなくても自動的に色が変わります。
解決方法
まず、色付けしたい日付データが入力されている範囲を選択します。
たとえば、A2からA100までの範囲を選択しましょう。

「ホーム」タブの「条件付き書式」をクリックし、「新しいルール」を選択します。

「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択します。
数式の入力欄に、以下の数式を入力してください。
=OR(WEEKDAY($A2)=2,WEEKDAY($A2)=4,WEEKDAY($A2)=6)

注意点として、列の参照(A)には$をつけて固定し、行の参照(2)には$をつけないことで、下方向にコピーしたときに正しく機能します。
「書式」ボタンをクリックして、塗りつぶしの色を選択しましょう。
たとえば、薄い青色を選択します。

「OK」をクリックすると、選択した範囲の中で月水金の日付だけが自動的に色付けされます。
複数の条件で異なる色を設定する
月水金は青色、火木は黄色、土日は赤色のように、複数の条件で異なる色を設定したい場合は、条件付き書式のルールを複数追加します。
それぞれの条件に対して、新しいルールを作成して異なる色を指定しましょう。
操作のポイント【条件付き書式で自動的に色付け、列参照には$をつける】
エクセルで月水金だけを抽出・フィルターする方法
大量の日付データの中から、月水金の日付だけを抽出して表示したい場合があります。
この場合は、フィルター機能や関数を組み合わせた方法が便利です。
オートフィルターを使った抽出
まず、日付データの隣の列に、月水金かどうかを判定する列を作成しましょう。
B2セルに以下の数式を入力します。
=IF(OR(WEEKDAY(A2)=2,WEEKDAY(A2)=4,WEEKDAY(A2)=6),”月水金”,”その他”)

この数式を下方向にコピーしたら、データ範囲を選択して「データ」タブの「フィルター」をクリックします。

B列のフィルターボタンをクリックし、「月水金」だけにチェックを入れて「OK」をクリックします。

これで、月水金の日付だけが抽出されて表示されます。

FILTER関数を使った抽出(Excel 365/2021以降)
FILTER関数を使えば、条件に一致するデータだけを自動的に抽出できます。
A2からA100までの日付データから、月水金だけを抽出するには以下の数式を使います。
=FILTER(A2:A100,OR(WEEKDAY(A2:A100)=2,WEEKDAY(A2:A100)=4,WEEKDAY(A2:A100)=6))
ただし、OR関数は配列数式として機能しないため、別の記述方法が必要です。
正しくは、以下のように記述しましょう。
=FILTER(A2:A100,(WEEKDAY(A2:A100)=2)+(WEEKDAY(A2:A100)=4)+(WEEKDAY(A2:A100)=6))
この数式で、月水金の日付だけが自動的に抽出されます。
操作のポイント【オートフィルターは判定列を追加、FILTER関数なら数式のみで抽出】
エクセルで月水金だけを表示する応用例
月水金だけを表示する技術は、さまざまな業務で応用できます。
ここでは、実務でよく使われる応用例をいくつか紹介しましょう。
カレンダーで月水金だけを強調表示
カレンダー形式の表で、月水金だけを強調表示したい場合は、条件付き書式を活用します。
カレンダー全体の範囲を選択し、先ほど説明した条件付き書式の設定を適用すれば、月水金の日付だけが自動的に色付けされます。
勤務日カウントに活用
月水金だけの勤務日数をカウントしたい場合は、SUMPRODUCT関数を使います。
=SUMPRODUCT((WEEKDAY(A2:A100)=2)+(WEEKDAY(A2:A100)=4)+(WEEKDAY(A2:A100)=6))
この数式で、指定した範囲内に月水金が何日あるかをカウントできます。


月水金だけの合計を計算
月水金だけの売上合計など、特定の曜日だけの合計を求めたい場合もあります。
A列に日付、B列に売上金額が入力されている場合、以下の数式で月水金の売上合計が計算できます。
=SUMPRODUCT((WEEKDAY(A2:A100)=2)+(WEEKDAY(A2:A100)=4)+(WEEKDAY(A2:A100)=6),B2:B100)
この数式で、月水金の日だけの売上を自動的に集計できます。
操作のポイント【条件判定を応用して集計やカウントにも活用】
エクセルで月水金以外の曜日を指定する方法
月水金だけでなく、他の曜日の組み合わせにも応用できます。
ここでは、さまざまなパターンを紹介しましょう。
火木だけに○をつける
火曜と木曜だけに○をつける場合は、WEEKDAY関数の判定値を変更します。
火曜は3、木曜は5なので、以下の数式を使います。
=IF(OR(WEEKDAY(A2)=3,WEEKDAY(A2)=5),”○”,””)

これで、火木だけに○が表示されます。

平日すべてに○をつける
月曜から金曜までの平日すべてに○をつける場合は、範囲指定が便利です。
=IF(AND(WEEKDAY(A2)>=2,WEEKDAY(A2)<=6),”○”,””)

WEEKDAY関数の戻り値が2以上6以下(月曜から金曜)なら○を表示します。

土日だけに色を付ける
土日だけに色を付けたい場合は、条件付き書式で以下の数式を使います。
=OR(WEEKDAY($A2)=1,WEEKDAY($A2)=7)

これで、土日だけが自動的に色付けされます。
操作のポイント【WEEKDAY関数の数値を変更すれば任意の曜日組み合わせに対応】
エクセルで月水金の判定ができない原因と対策
月水金の判定がうまくいかない場合があります。
ここでは、よくあるトラブルとその解決方法について説明しましょう。
原因1 データが日付形式になっていない
最も多い原因は、セルに入力されているデータが日付形式ではなく、文字列になっていることです。
見た目は日付に見えても、エクセル内部では文字列として扱われている場合、WEEKDAY関数は正しく機能しません。
対策
セルが文字列か日付かを確認するには、そのセルを選択して数式バーを見てみましょう。
文字列の場合は左揃えで表示され、日付の場合は右揃えで表示されることが多いです。
文字列になっている場合は、DATEVALUE関数を使って日付形式に変換できます。
=IF(OR(WEEKDAY(DATEVALUE(A2))=2,WEEKDAY(DATEVALUE(A2))=4,WEEKDAY(DATEVALUE(A2))=6),”○”,””)
これで、文字列として入力された日付からも曜日を判定できます。
原因2 条件付き書式の数式が正しくない
条件付き書式で色が付かない場合、数式の参照方法が間違っている可能性があります。
特に、絶対参照($記号)の位置が重要です。
対策
条件付き書式の数式では、列は固定($A)し、行は可変(2)にする必要があります。
正しい記述は以下のとおりです。
=OR(WEEKDAY($A2)=2,WEEKDAY($A2)=4,WEEKDAY($A2)=6)
$A2のように、列だけに$をつけることで、下方向にコピーしたときに正しく機能します。
原因3 エラー値が含まれている
参照しているセルにエラー値(#VALUE!、#N/Aなど)が含まれていると、判定式もエラーになってしまいます。
対策
IFERROR関数を組み合わせることで、エラーが発生した場合の表示を制御できます。
=IFERROR(IF(OR(WEEKDAY(A2)=2,WEEKDAY(A2)=4,WEEKDAY(A2)=6),”○”,””),””)
この数式により、エラーの場合は空白を表示し、正常な場合のみ判定結果が表示されます。
操作のポイント【データ形式の確認と条件付き書式の参照方法が重要】
まとめ エクセルで月水金だけ表示・抽出・○をつける(関数・色付けも)方法
エクセルで月水金だけを表示・抽出・○をつける方法をまとめると以下のようになります。
・WEEKDAY関数で曜日を数値判定し、IF関数やOR関数で月水金に○をつける
・IFS関数やCHOOSE関数を使えばより柔軟な表示が可能
・条件付き書式を使えば月水金だけを自動的に色付けできる
・オートフィルターや FILTER関数で月水金だけを抽出できる
・SUMPRODUCT関数と組み合わせて月水金の日数カウントや合計計算も可能
・データが文字列の場合はDATEVALUE関数で変換が必要
これらの方法を状況に応じて使い分けることで、特定の曜日だけを効率的に処理できます。
特に条件付き書式を使った色付けは、視覚的に分かりやすく、スケジュール管理や勤怠管理で非常に便利でしょう。
月水金だけの表示や抽出をマスターすれば、シフト管理での特定曜日の勤務者抽出や、売上分析での曜日別集計、会議室予約での定例会議日の強調表示など、さまざまな業務で活用できます。
WEEKDAY関数の数値を変更すれば、火木や土日など、任意の曜日組み合わせにも対応できるため、応用範囲は非常に広いです。
ぜひこれらのテクニックを使いこなして、エクセル作業の効率を高めていきましょう。


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