この記事では【Excel】エクセルで2つの複数条件を満たす・一致データを抽出・〇表示する方法【関数:andやorなど】について解説していきます。
ポイントは、
・AND関数で複数条件の同時判定と抽出
・OR関数でいずれかの条件を満たすデータ抽出
・フィルター機能との組み合わせで効率的な抽出
です。
それでは詳しく見ていきましょう。
エクセルで2つの条件を満たすデータに〇を表示して抽出する方法1【AND関数とIF関数の組み合わせ】
複数の条件をすべて満たす場合に〇を表示して抽出したい場合、AND関数とIF関数の組み合わせが最も効果的です。
AND関数を使えば、2つ以上の条件がすべて真の場合のみTRUEを返し、IF関数と組み合わせることで条件に合うセルに〇や任意の文字を表示して、その行を抽出できます。
この方法は特に、複数の基準を同時にクリアしたデータを視覚的に判別して抽出したい場合に威力を発揮します。
具体的な手順
まず、判定したいデータを用意しましょう。
例えばA列に「売上金額」、B列に「地域」が入力されており、1行目はヘッダーの場合を考えます。

「売上金額が100,000円以上」かつ「地域が東京」という2つの条件を満たす行にのみ〇を表示したい場合、C2セルに以下のような数式を入力します。
数式は以下のように記述します。
=IF(AND(A2>=100000,B2=”東京”),”〇”,””)

この数式をオートフィル機能で下方向にコピーすれば、全てのデータについて判定が行われます。
AND関数内の条件がすべて満たされた場合のみ「〇」が表示され、1つでも条件を満たさない場合は空白になります。

その後、C列の〇が付いた行だけをフィルター機能で抽出すれば、複数条件を満たすデータのみを取り出せるでしょう。

3つ以上の条件を追加したい場合は、AND関数内にカンマ区切りで条件を追加すればよいです。
=IF(AND(A2>=100000,B2=”東京”,D2=”完了”),”〇”,””)


この方法は複数条件の厳密な判定と抽出に非常に有効です。
エクセルで複数条件のいずれかを満たすデータを抽出する方法2【OR関数での判定と抽出】
複数の条件のうち、いずれか1つでも満たせば〇を表示して抽出したい場合は、OR関数が便利です。
OR関数を使えば、2つ以上の条件のうち少なくとも1つが真であればTRUEを返し、柔軟な条件判定による抽出が可能になります。
これにより「東京または大阪」「売上10万円以上または新規顧客」といった条件でデータを抽出できます。
設定方法


OR関数を使った基本的な数式は以下の形になります。
例えば「地域が東京」または「売上金額が150,000円以上」のいずれかを満たす場合に〇を表示したい場合、以下のように記述しましょう。
=IF(OR(B2=”東京”,A2>=150000),”〇”,””)

この数式は、B2が「東京」であるか、A2が150,000以上であるか、どちらか一方でも条件を満たせば〇を表示します。

〇が表示された行をフィルター機能で絞り込めば、いずれかの条件を満たすデータだけを抽出できます。

さらに複雑な条件として、AND関数とOR関数を組み合わせることも可能です。
例えば「(東京または大阪)かつ売上100,000円以上」という条件でデータを抽出する場合は以下のように記述しましょう。
=IF(AND(OR(B2=”東京”,B2=”大阪”),A2>=100000),”〇”,””)

この組み合わせにより、より詳細で柔軟な条件設定による抽出が実現できます。

複数の条件パターンに対応できるため、ビジネスシーンでの実用性が高まります。
エクセルで複数条件を満たすデータを直接抽出する方法3【高度なフィルター機能の活用】
関数を使わずに、エクセルの高度なフィルター機能を使って複数条件を満たすデータを直接抽出する方法もあります。
この方法なら、条件を別の場所に設定するだけで、該当するデータを自動的に抽出できます。
大量のデータから複数条件で抽出する場合、この方法が最も効率的かもしれません。
実践的な使用例
高度なフィルターを使う場合、まず抽出条件を設定する範囲を用意します。

例えば、データとは別の場所(G1:H2など)に以下のような条件表を作成しましょう。
1行目にヘッダー(売上金額、地域など)を入力し、2行目に条件(>=100000、東京など)を入力します。
データ範囲内の任意のセルを選択し、「データ」タブから「詳細設定」または「高度なフィルター」をクリックします。
「データ」タブ → 「詳細設定」または「高度なフィルター」

ダイアログボックスが開いたら、以下を設定します。
– リスト範囲:抽出元のデータ範囲全体を選択
– 検索条件範囲:先ほど作成した条件表の範囲を選択
– 抽出先:「選択した範囲内」または「指定した範囲」を選択
「OK」をクリックすれば、複数の条件をすべて満たすデータだけが抽出されます。

AND条件(すべて満たす)の場合は条件を同じ行に、OR条件(いずれか満たす)の場合は条件を別の行に記述することで、柔軟な抽出が可能です。

複数条件での抽出データの表示応用
より高度な方法として、複数の条件判定を組み合わせて抽出結果を分類表示する方法もあります。
例えば売上金額と地域に基づいて、「重要」「標準」「要確認」といった分類を表示しながら抽出する場合、以下のようにIF関数をネストします。
=IF(AND(A2>=200000,B2=”東京”),”重要”,IF(AND(A2>=100000,OR(B2=”東京”,B2=”大阪”)),”標準”,IF(A2>=50000,”要確認”,””)))

この数式では、複数の条件パターンを階層的に判定し、最も適した分類を表示します。
その後、分類列でフィルターをかければ、「重要」なデータだけ、「標準」なデータだけといった形で抽出できるでしょう。

さらに実用的な例として、条件を満たす場合のみ元の値を表示し、それ以外は空白にする方法もあります。
=IF(AND(A2>=100000,B2=”東京”),A2,””)


この方法を使えば、条件に合致するデータのみが表示され、空白以外のデータだけをフィルターで抽出することで、効率的なデータ抽出が実現できます。
まとめ エクセルで複数条件を満たすデータを抽出・表示する方法(and・or・関数)
これらの方法を状況に応じて使い分けていけば、ほとんどの複数条件判定や抽出作業を効率的に行えます。
特にAND関数とIF関数の組み合わせは最も基本的で応用範囲が広いため、まずこの方法をマスターすることをおすすめします。
ただし、条件が複雑になりすぎると数式が読みにくくなり、メンテナンスが困難になることがあります。
必要に応じて作業列を使って段階的に判定したり、高度なフィルター機能を活用したりするなど、管理のしやすさにも配慮しましょう。
エクセルの条件判定と抽出機能を正しく理解して、効率的なデータ分析を実現していきましょう!


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