エクセルで日付データから年だけを表示したいとき、どのように操作すればよいか悩んでしまうことはありませんか。
月や日は不要で、年の情報だけを取り出したい場面は意外と多いものです。
この記事では、エクセルで年だけ表示・抽出する方法について、関数を使う方法や書式設定による自動表示、和暦への変換、さらに年が抜き出せない原因と対策まで詳しく解説していきます。
ポイントは
・YEAR関数で年を数値として抽出
・TEXT関数で表示形式を自由に設定
・セルの書式設定で元データを保ちながら年だけ表示
です。
それでは詳しく見ていきましょう。
エクセルで年だけ表示する方法1【YEAR関数で数値として抽出】
日付データから年だけを数値として取り出したい場合、最もシンプルなのがYEAR関数を使う方法です。
YEAR関数は日付データを参照して、その年を4桁の数値として返してくれる関数です。
たとえば、A2セルに「2025/10/23」という日付が入力されているとします。
この場合、年だけを表示したいセルに以下の数式を入力しましょう。
=YEAR(A2)

すると、結果として「2025」という数値が表示されます。

この方法の利点は、得られた数値をそのまま計算に使用できることです。
年度別の集計や経年比較をする際に便利でしょう。
また、数式をコピーすれば他の日付データに対しても一括で年を抽出できます。
操作のポイント【YEAR関数は数値で返すため計算に便利】
エクセルで年だけ表示する方法2【TEXT関数で表示形式を指定】
年の表示方法をもっと柔軟にコントロールしたい場合があります。
たとえば「2025年」のように単位を付けて表示したり、「25」のように下2桁だけ表示したりしたいケースです。
TEXT関数を使えば、日付データから年を抽出しながら、同時に表示形式も自由に指定できます。
4桁の年を表示する場合
A2セルの日付から年を4桁形式で表示するには、以下の数式を使用します。
=TEXT(A2,”YYYY”)

この数式により、「2025/10/23」は「2025」と表示されます。

「○年」という形式で表示する場合
年に「年」という単位を付けて表示したい場合は、表示形式を以下のように指定しましょう。
=TEXT(A2,”YYYY年”)

これで「2025年」のような日本語形式での表示が可能になります。

下2桁だけ表示する場合
年の下2桁だけを表示したい場合は、以下の数式を使います。
=TEXT(A2,”YY”)

これにより「25」のような2桁表示になります。

TEXT関数は表示形式の指定が柔軟なため、用途に応じて使い分けられるのが魅力です。
操作のポイント【TEXT関数の表示形式指定で柔軟な出力が可能】
エクセルで年だけ表示する方法3【セルの書式設定で自動表示】
元の日付データは保持したまま、見た目だけ年のみの表示にしたい場合もあるでしょう。
この場合は関数を使わずに、セルの書式設定を変更する方法が効果的です。
書式設定を使えば、セルには完全な日付データが入っているのに、表示上は年だけが見えるという状態を作れます。
解決方法
まず、年だけを表示したい日付データが入力されているセルを選択します。
選択したセルを右クリックして「セルの書式設定」を選択しましょう。

「表示形式」タブの「分類」から「ユーザー定義」を選択します。
「種類」の入力欄に以下のいずれかの表示形式コードを入力してください。
・年を4桁の数値で表示する場合は「YYYY」
・年を2桁の数値で表示する場合は「YY」
・年を「2025年」のように単位付きで表示する場合は「YYYY年」
・年と月を組み合わせて表示する場合は「YYYY年M月」(例 2025年10月)

「OK」をクリックすると、選択したセルの表示が年のみに変わります。

この方法の大きな利点は、セル内の実際のデータは日付のまま保持されていることです。
そのため、他の計算や集計で日付データとして使用できますし、後から表示形式を変更するだけで年月日の完全表示に戻すこともできます。
操作のポイント【書式設定なら元データを保ったまま表示だけ変更可能】
エクセルで年を和暦で表示する方法
日本国内での資料作成では、西暦ではなく和暦(令和、平成など)で年を表示したい場合があります。
エクセルでは和暦表示に対応した機能が用意されています。
TEXT関数で和暦表示にする
TEXT関数を使って年を和暦で表示するには、表示形式に和暦用のコードを指定します。
=TEXT(A2,”GGGE年”)

この数式により、「2025/10/23」は「令和7年」と表示されます。

「GGG」は元号を表し、「E」は元号の年数を表します。
元号と年を組み合わせたパターン
和暦の表示形式にはいくつかのバリエーションがあります。
・「GGGE年」は「令和7年」のように表示
・「GGG E年」は「令和 7年」のようにスペースを入れて表示
・「GE年」は「R7年」のようにアルファベット略称で表示
用途に応じて使い分けましょう。
セルの書式設定で和暦表示にする
セルの書式設定を使う場合も同様に、ユーザー定義の種類に「GGGE年」と入力すれば和暦表記になります。
または、分類から「日付」を選択し、カレンダーの種類を「和暦」に変更する方法もあります。
この方法なら、あらかじめ用意された和暦形式から選択できるため便利です。
操作のポイント【GGGで元号、Eで元号年数を表示】
エクセルで年が抜き出せない原因と対策
年だけを表示しようとしても、うまくいかない場合があります。
ここでは、よくあるトラブルとその解決方法について説明しましょう。
原因1 データが日付形式になっていない
最も多い原因は、セルに入力されているデータが実は日付形式ではなく、ただの文字列になっていることです。
見た目は「2025/10/23」のように日付に見えても、エクセル内部では文字列として扱われている場合、YEAR関数やTEXT関数は正しく機能しません。
対策
セルが文字列か日付かを確認するには、そのセルを選択して数式バーを見てみましょう。
文字列の場合は左揃えで表示され、日付の場合は右揃えで表示されることが多いです。
文字列になっている場合は、DATEVALUE関数を使って日付形式に変換できます。
=YEAR(DATEVALUE(A2))
また、文字列を日付に一括変換するには、別のセルに「1」と入力してコピーし、変換したいセルを選択して「形式を選択して貼り付け」から「乗算」を選択する方法もあります。
原因2 エラー値が含まれている
参照しているセルにエラー値(#VALUE!、#N/Aなど)が含まれていると、年を抽出する関数もエラーになってしまいます。
対策
IFERROR関数を組み合わせることで、エラーが発生した場合の表示を制御できます。
=IFERROR(YEAR(A2),””)
この数式により、エラーの場合は空白を表示し、正常な場合のみ年が表示されます。
原因3 表示形式が数値や文字列になっている
セルの書式設定で年だけを表示しようとしても、セル自体の表示形式が「数値」や「文字列」に設定されていると、正しく表示されないことがあります。
対策
セルの書式設定を開いて、分類が「日付」または「ユーザー定義」になっていることを確認してください。
「数値」になっている場合は、日付のシリアル値(数値)がそのまま表示されてしまうため、適切な表示形式に変更する必要があります。
原因4 和暦が正しく表示されない
和暦表示を指定しても、正しく表示されない場合があります。
これは、Windowsの地域設定や、エクセルのバージョンによる制約が原因かもしれません。
対策
和暦が正しく表示されない場合は、以下の点を確認しましょう。
・Windowsの地域設定で、日本語が選択されているか確認
・エクセルのバージョンが古すぎないか確認(令和に対応していない古いバージョンもあります)
・セルの書式設定で、カレンダーの種類が「和暦」になっているか確認
どうしても表示されない場合は、IF文を使って西暦から和暦に変換する計算式を作成する方法もあります。
操作のポイント【データ形式の確認が最重要、文字列ならDATEVALUEで変換】
まとめ エクセルで年だけ表示・抽出(書式設定で自動も・関数・抜き出すのができない原因と対策・和暦)する方法
エクセルで年だけを表示・抽出する方法をまとめると以下のようになります。
・YEAR関数を使う方法は数値として年を抽出でき、計算に便利
・TEXT関数を使えば表示形式を自由に指定しながら年を抽出可能
・セルの書式設定で表示だけを変更すれば、元データを保ったまま年のみ表示
・和暦表示にするにはTEXT関数やセルの書式設定で「GGGE年」を指定
・年が抽出できない場合は、データが文字列になっていないか確認し、必要に応じてDATEVALUE関数で変換
これらの方法を状況に応じて使い分けることで、日付データから年だけを効率的に表示できます。
特にセルの書式設定を使う方法は、元データを変更せずに表示だけを変えられるため、データの整合性を保ちながら見栄えを整えたい場合に最適でしょう。
関数を使う方法は、抽出した年の値を他の計算に使いたい場合や、複数の日付データから一括で年を取り出したい場合に便利です。
年の表示方法をマスターすれば、年度別の売上集計や経年分析、契約期限の管理など、さまざまな場面で活用できます。
和暦表示も使いこなせるようになれば、公的文書や日本国内向けの資料作成でも役立つでしょう。
ぜひこれらのテクニックを使いこなして、エクセル作業の効率を高めていきましょう。


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