【Excel】エクセルで変動係数を求める方法(CV・標準偏差÷平均・ばらつきの比較)
エクセルで「単位や平均値が異なるデータ同士のばらつきを比較したい」「変動係数(CV値)を計算したい」「標準偏差だけでは比較できないデータを分析したい」と思ったことはありませんか?
この記事では【Excel】エクセルで変動係数を求める方法(CV・標準偏差÷平均・ばらつきの比較)について解説していきます。
ポイントは
・変動係数(CV)は標準偏差を平均で割った値でばらつきの相対的な大きさを表す
・STDEV関数とAVERAGE関数を組み合わせて変動係数を計算する
・変動係数を使うと単位や規模が異なるデータのばらつきを公平に比較できる
・パーセント表示にすることでより直感的に結果を読み取れる
です。
それでは詳しく見ていきましょう。
エクセルで変動係数を求める方法1【変動係数(CV)の基本と計算式】
まずはサンプルデータを確認しましょう。
以下のような商品別品質検査データ表を使って解説していきます。

1行目にヘッダーがあり、2行目以降にデータが入力されている前提で解説します。
変動係数(CV:Coefficient of Variation)とは、標準偏差を平均値で割ることでばらつきの大きさを相対的に表した指標です。
標準偏差はデータの単位や平均値の大きさに依存するため、たとえばボルトのミリ単位のデータとマグロのグラム単位のデータを標準偏差だけで比較することはできません。
変動係数を使うことで、単位や規模が異なるデータのばらつきを同じ基準で比較できるようになります。
変動係数の計算式
変動係数(CV) = 標準偏差 ÷ 平均値
パーセント表示の場合:CV(%) = (標準偏差 ÷ 平均値) × 100
変動係数は単位を持たない無次元の値になるため、異なる単位のデータを横並びで比較できます。
結果をパーセントで表すことが多く、「CV値が10%以下なら均一性が高い」「20%を超えるとばらつきが大きい」といった目安として使われます。
ただしこの基準は分野や用途によって異なるため、あくまで相対的な比較の指標として捉えましょう。
【操作のポイント】
変動係数はエクセルに専用の関数が存在しません。
STDEV関数とAVERAGE関数を組み合わせた数式で計算する必要があります。
次の見出しで具体的な数式を解説します。
エクセルで変動係数を求める方法2【STDEV関数とAVERAGE関数で変動係数を計算する】
変動係数はSTDEV関数で求めた標準偏差をAVERAGE関数で求めた平均値で割るだけで計算できます。
1つの数式にまとめて記述できるため、複数の商品や項目に対してオートフィルで一括計算することが可能です。
変動係数を求める基本構文
=STDEV(範囲) ÷ AVERAGE(範囲)
パーセント表示の場合:=STDEV(範囲) ÷ AVERAGE(範囲) × 100
実際の数式と解説
ボルト(B2:F2)の変動係数をG2セルに求める場合は以下の数式を入力します。
=STDEV(B2:F2)/AVERAGE(B2:F2)

ボルトの測定値は12.1・11.8・12.3・12.0・11.9で、平均はAVERAGE関数で計算すると12.02になります。
STDEV関数で求めた標準偏差はおよそ0.192です。
変動係数は0.192÷12.02でおよそ「0.0160」となります。

パーセント表示にする場合はG2セルに以下の数式を入力します。
=STDEV(B2:F2)/AVERAGE(B2:F2)*100

ボルトの変動係数はおよそ「1.60%」となります。
同様にネジ(B3:F3)の変動係数を計算すると、変動係数はおよそ「4.79%」です。
マグロ(B4:F4)の変動係数はおよそ「8.30%」になります。
標準偏差だけを見るとマグロが最も大きい値になりますが、変動係数で比較すると桜餅とマグロのばらつき具合が近い(8.17%と8.30%)ことがわかります。
この点が変動係数を使う最大のメリットといえるでしょう。
パーセント表示を表示形式で設定する方法
「×100」を数式に含める代わりに、セルの表示形式をパーセントに設定する方法もあります。
「=STDEV(B2:F2)/AVERAGE(B2:F2)」の数式のまま、セルを選択してホームタブの「%」ボタンをクリックするか、セルの書式設定でパーセンテージを選択します。
この場合は小数点の桁数を「小数点以下の桁数」で調整できます。
表示形式でパーセント表示にした場合、セルの値は0.0160のままなので、後から数式で参照する際に×100が不要になります。
【操作のポイント】
AVERAGE関数の結果が0になるデータに対して変動係数を計算するとゼロ除算エラー(#DIV/0!)が発生します。
エラーを回避するにはIFERROR関数を組み合わせて「=IFERROR(STDEV(B2:F2)/AVERAGE(B2:F2)*100,””)」と記述しておくと安全です。
エクセルで変動係数を求める方法3【変動係数でばらつきを比較・一覧表を作成する】
変動係数は複数のデータを一覧にして比較することで、より分析の効果が高まります。
平均・標準偏差・変動係数を並べた比較表を作ることで、どのデータが相対的に均一でどれがばらつきやすいかを一目で把握できます。
比較表の作り方と数式
G列に平均、H列に標準偏差、I列に変動係数(%)を求める場合、G2・H2・I2セルにそれぞれ以下の数式を入力します。
G2:=AVERAGE(B2:F2)
H2:=STDEV(B2:F2)
I2:=STDEV(B2:F2)/AVERAGE(B2:F2)*100
この3つの数式を2行目に入力したら、5行目まで一括でオートフィルすれば全商品の比較表が完成します。
サンプルデータで計算すると以下のような結果になります。

| 商品名 | 平均 | 標準偏差 | 変動係数(%) |
|---|---|---|---|
| ボルト(mm) | 12.02 | 0.192 | 1.60% |
| ネジ(mm) | 3.30 | 0.158 | 4.79% |
| マグロ(g) | 278.0 | 23.08 | 8.30% |
| カツオ(g) | 188.0 | 5.87 | 3.12% |
| 桜餅(g) | 49.4 | 4.04 | 8.17% |
標準偏差だけを見るとマグロが23.08と突出して大きく見えますが、変動係数で比較するとボルトが最も均一(1.60%)で、桜餅とマグロのばらつき具合が近い(8.17%と8.30%)ことがわかります。
このように変動係数は単位や規模の異なるデータを公平な基準で評価できる強力な指標です。
条件付き書式でばらつきを色分けする
変動係数の列(I列)に条件付き書式を設定すると、ばらつきの大きさを色で視覚化できます。
I2:I6を選択してホームタブの「条件付き書式」から「カラースケール」を選ぶと、値が大きいセルほど濃い色になり、ばらつきの大きい商品が一目でわかる表になります。
【操作のポイント】
変動係数はMIN・MAX関数と組み合わせると、最もばらつきが小さい・大きい項目を自動で特定することもできます。
「=INDEX(A2:A6,MATCH(MIN(I2:I6),I2:I6,0))」とすることで、変動係数が最小の商品名を自動で表示できます。
エクセルで変動係数を求める方法4【変動係数を使う際の注意点と活用場面】
変動係数は非常に便利な指標ですが、使用する際にはいくつかの注意点を理解しておくことが重要です。
正しく活用するために、変動係数が適切な場面と不適切な場面を把握しておきましょう。
変動係数が適切でないケース
平均値が0またはゼロに近い場合は、変動係数の計算でゼロ除算エラーが発生するか、非常に大きな値になってしまいます。
また温度のように「0が絶対的なゼロを意味しない」摂氏温度などの間隔尺度データでは、変動係数の意味が薄れることがあります。
さらに負の値を含むデータでは変動係数が負になったり意味を失ったりするため、使用を避けるべきです。
正の値のみで構成される比率尺度データ(重量・長さ・金額など)に対して最も有効に機能します。
変動係数の主な活用場面
品質管理の分野では、製品の寸法や重量のばらつきを工程ごとに比較する際に変動係数が活用されます。
金融・投資の分野では、リターンの平均に対するリスク(標準偏差)の割合としてCV値が使われ、投資効率の比較指標になります。
生産管理や在庫管理では、複数の商品の需要ばらつきを比較して発注量の安定性を評価するのにも役立ちます。
このように変動係数は「相対的なばらつきの大きさ」を問うあらゆる場面で活用できる指標といえるでしょう。
【操作のポイント】
変動係数を求める際は、データに負の値や0が含まれていないかを事前にMIN関数で確認しておくと安全です。
「=MIN(B2:F2)」で最小値を確認し、0以下の値が含まれている場合は変動係数の解釈に注意が必要です。
まとめ エクセルの変動係数(CV)の出し方・計算(数式・目安も・CV・標準偏差÷平均・ばらつきの比較)
エクセルで変動係数を求める方法をまとめると以下のとおりです。
変動係数(CV)の基本は「標準偏差÷平均値」で求められ、単位や規模が異なるデータのばらつきを相対的に比較できる指標です。
パーセント表示にする場合は結果に100を掛けるか、セルの表示形式をパーセントに設定します。
STDEV関数とAVERAGE関数を組み合わせた数式では「=STDEV(B2:F2)/AVERAGE(B2:F2)*100」が基本形です。
エクセルに変動係数専用の関数はないため、この組み合わせで対応します。
複数データの比較表を作る際は、平均・標準偏差・変動係数を横並びに一覧化することで、どのデータが均一でどれがばらつきやすいかを一目で把握できます。
条件付き書式のカラースケールを使えばばらつきの大きさを色で視覚化することも可能です。
変動係数は正の値のみで構成されるデータに対して有効で、平均が0に近いデータや負の値を含むデータへの使用は適切でない点に注意しましょう。
品質管理・金融・在庫管理など幅広い分野でCV値を活用することで、データ分析の視野が大きく広がるでしょう。


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