【Excel】エクセルでCPKを計算する式(工程能力指数・標準偏差・上下限値を使った数式)
エクセルで「工程能力指数CPKを計算したい」「上限値・下限値と標準偏差からCPKを求める数式が知りたい」「CPKの値が品質管理上どのような意味を持つか理解したい」と思ったことはありませんか?
この記事では【Excel】エクセルでCPKを計算する式(工程能力指数・標準偏差・上下限値を使った数式)について解説していきます。
ポイントは
・CPKは上限側と下限側それぞれのCP値のうち小さい方を採用する指数
・エクセルではSTDEV関数・AVERAGE関数・MIN関数を組み合わせてCPKを計算する
・CPKの値が1.33以上であれば工程能力が十分とされる
・上限値・下限値・平均・標準偏差の4つの要素が計算の基本になる
です。
それでは詳しく見ていきましょう。
エクセルでCPKを計算する方法1【CPKの基本と計算式の意味を理解する】
まずはサンプルデータを確認しましょう。
以下のような製品寸法の品質検査データ表を使って解説していきます。

1行目にヘッダーがあり、2行目以降にデータが入力されている前提で解説します。
CPK(Process Capability Index)は、製造工程が規格の上限値・下限値に対してどれだけの余裕を持って製品を作れているかを示す工程能力指数です。
CPKは平均値のかたよりを考慮した指数であるため、工程の中心が規格の中心からずれている場合でも正確に評価できます。
品質管理の現場では、CPKが1.33以上であれば工程能力が十分、1.00以上1.33未満であれば工程能力が不足気味、1.00未満であれば工程能力が不足していると判断されます。
CPKの計算式
CPU(上限側)= (上限値 - 平均値) ÷ (3 × 標準偏差)
CPL(下限側)= (平均値 - 下限値) ÷ (3 × 標準偏差)
CPK = MIN(CPU, CPL)
CPUは平均値から上限値までの余裕を標準偏差3つ分で割った値、CPLは平均値から下限値までの余裕を標準偏差3つ分で割った値です。
CPKはこの2つのうち小さい方の値を採用することで、工程のばらつきと中心のずれを同時に考慮した評価が可能になります。
分母に「3×標準偏差」を使うのは、正規分布において平均±3σの範囲に全データの99.73%が収まるという統計的な根拠に基づいています。
【操作のポイント】
CPKとよく混同されるCPという指数もあります。
CPは「(上限値-下限値)÷(6×標準偏差)」で求められ、工程のばらつきだけを評価する指数です。
平均値のずれを考慮しないため、CPKの方がより実態に即した評価指数といえます。
エクセルでCPKを計算する方法2【STDEV・AVERAGE・MIN関数を使ったCPKの数式】
エクセルでCPKを計算するには、STDEV関数で標準偏差、AVERAGE関数で平均値を求め、それらをMIN関数で組み合わせます。
1つのセルにCPK全体の計算式をまとめて記述できるため、複数の商品に対してオートフィルで一括計算が可能です。
CPKを求める数式の構成
CPU:=(G2-AVERAGE(B2:F2))÷(3×STDEV(B2:F2))
CPL:=(AVERAGE(B2:F2)-H2)÷(3×STDEV(B2:F2))
CPK:=MIN(CPU, CPL)
これを1つの数式にまとめると以下のようになります。
=MIN((G2-AVERAGE(B2:F2))/(3*STDEV(B2:F2)),(AVERAGE(B2:F2)-H2)/(3*STDEV(B2:F2)))

実際の数式と解説
ボルト(B2:F2)のCPKをI2セルに求める場合は上記の数式をそのまま入力します。
ボルトの平均はAVERAGE関数で12.02、標準偏差はSTDEV関数で0.192です。
上限値は13.0、下限値は11.0です。
CPUは(13.0-12.02)÷(3×0.192)=0.98÷0.577でおよそ「1.698」となります。
CPLは(12.02-11.0)÷(3×0.192)=1.02÷0.577でおよそ「1.768」となります。
CPKはMIN(1.698, 1.768)でおよそ「1.698」となり、1.33を上回るため工程能力は十分と判断できます。

数式を分割して入力する方法
1つの数式が長くなる場合は、CPU・CPL・CPKをそれぞれ別のセルに分けて入力すると管理しやすくなります。
I2セルにCPU、J2セルにCPL、K2セルにCPKを入力する場合は以下のように記述します。
I2(CPU):=(G2-AVERAGE(B2:F2))/(3*STDEV(B2:F2))
J2(CPL):=(AVERAGE(B2:F2)-H2)/(3*STDEV(B2:F2))
K2(CPK):=MIN(I2,J2)

CPU・CPLを別セルに出しておくことで、どちら側の余裕が少ないかを一目で確認できるようになります。
問題がある工程を特定する際にも役立つ構成です。
【操作のポイント】
数式中の「3*STDEV(B2:F2)」の部分は両方のCPU・CPLで共通なので、あらかじめ別のセルに「=3*STDEV(B2:F2)」として出しておくと数式がすっきりします。
大量の工程データを管理する場合は特に整理しやすくなります。
エクセルでCPKを計算する方法3【複数商品のCPK一覧表を作成して比較する】
実務では複数の工程や商品のCPKを一覧にして比較することが多くなります。
平均・標準偏差・CPU・CPL・CPKを横並びにした比較表を作ると、どの工程に改善が必要かを素早く把握できます。
比較表の作り方と数式
I列に平均、J列に標準偏差、K列にCPU、L列にCPL、M列にCPKを求める場合、それぞれのセルに以下の数式を入力します。
I2:=AVERAGE(B2:F2)
J2:=STDEV(B2:F2)
K2:=(G2-I2)/(3*J2)
L2:=(I2-H2)/(3*J2)
M2:=MIN(K2,L2)
I列・J列で平均と標準偏差を先に計算しておくことで、K列・L列・M列の数式がシンプルになります。
2行目の数式を入力したら5行目まですべてオートフィルするだけで全商品の比較表が完成します。
サンプルデータで計算すると以下のような結果になります。
| 商品名 | 平均 | 標準偏差 | CPU | CPL | CPK |
|---|---|---|---|---|---|
| ボルト(mm) | 12.02 | 0.192 | 1.698 | 1.768 | 1.698 |
| ネジ(mm) | 3.30 | 0.158 | 1.476 | 1.687 | 1.476 |
| マグロ(g) | 278.0 | 23.08 | 0.607 | 0.693 | 0.607 |
| カツオ(g) | 188.0 | 5.87 | 1.249 | 1.589 | 1.249 |
| 桜餅(g) | 49.4 | 4.04 | 0.875 | 0.776 | 0.776 |
ボルトとネジはCPKが1.33を超えており工程能力は十分です。
マグロはCPKが0.607と1.00を下回っており、工程能力が不足していると判断されます。
カツオと桜餅はCPKが1.00以上1.33未満のため、工程能力がやや不足している状態です。
桜餅はCPLが0.776とCPUの0.875より小さいため、平均値が下限側に偏っていることが改善すべきポイントとわかります。
【操作のポイント】
CPKの列に条件付き書式を設定すると、基準値以下のセルを自動で色分けできます。
「1.33未満なら黄色」「1.00未満なら赤」のように複数の条件を設定しておくと、問題のある工程を一目で発見できる管理表になります。
エクセルでCPKを計算する方法4【CPKの結果を正しく解釈して改善に活かす】
CPKの数値を計算するだけでなく、その結果を正しく読み取って改善につなげることが品質管理の本来の目的です。
CPKの値が低い原因は「ばらつきが大きい」か「平均が規格中心からずれている」かのいずれかに分けられます。
原因によって改善のアプローチが異なるため、CPU・CPLの値を合わせて確認することが重要です。
CPKが低い場合の原因分析
CPUとCPLの両方が同程度に低い場合は、工程のばらつき(標準偏差)が大きいことが主な原因です。
この場合は製造条件の安定化や設備の精度向上など、ばらつきそのものを小さくする対策が必要になります。
CPUとCPLの差が大きい場合は、平均値が規格中心からずれていることが主な原因です。
たとえば桜餅のようにCPLがCPUより小さい場合は、平均値が下限値に近い位置にあることを意味し、製造条件の中心調整で改善できる可能性があります。
CPKとCPを組み合わせた分析
CPKとあわせてCPも計算しておくと、ばらつきと平均ずれの影響を分けて把握できます。
CPを求める数式は以下のとおりです。
=(上限値 - 下限値) ÷ (6 × 標準偏差)
エクセル数式:=(G2-H2)/(6*STDEV(B2:F2))
CPが高くCPKが低い場合は、ばらつきは小さいが平均がずれているという状態です。
CPもCPKも低い場合は、ばらつきが大きくかつ平均もずれているという状態で、より複合的な改善が必要です。
CPとCPKを比較することで、工程の問題がばらつきにあるのか中心ずれにあるのかを切り分けた分析が可能になります。
【操作のポイント】
CPKの計算に使う標準偏差はSTDEV関数(不偏標準偏差)を使うのが一般的です。
ただし工程管理においては管理図から求めたσ(工程内変動)を使う場合もあるため、社内の品質管理基準に合わせて使い分けるようにしましょう。
まとめ エクセルのCPK求め方(cpやppk・不良率・片側や両側規格・マイナス・ppk・標準偏差・上下限値を使った数式)
エクセルでCPKを計算する方法をまとめると以下のとおりです。
CPKの基本は「CPU=(上限値-平均)÷(3×標準偏差)」「CPL=(平均-下限値)÷(3×標準偏差)」を求め、小さい方をMIN関数で採用するという計算です。
1つの数式にまとめると「=MIN((G2-AVERAGE(B2:F2))/(3*STDEV(B2:F2)),(AVERAGE(B2:F2)-H2)/(3*STDEV(B2:F2)))」が基本形となります。
CPU・CPL・CPKを別のセルに分けて計算する方法では、平均と標準偏差をI列・J列に先に出しておくことで数式がすっきりし、管理しやすくなります。
CPKの判断基準は1.33以上で工程能力十分、1.00以上1.33未満でやや不足、1.00未満で不足です。
CPKが低い場合はCPUとCPLの差を見ることで、ばらつきが原因なのか平均ずれが原因なのかを特定できます。
CPとCPKを組み合わせることでさらに詳細な原因分析が可能になり、的確な改善アクションにつなげられるでしょう。


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